ホスピス施設の不用品・遺品について
老人ホームで不用品・遺品と聞いて真っ先に思い浮かぶのが入居者である高齢者の死亡時に発生する場合です。不用品に関しては、実はこれ以外にも発生することがあり、入居者が療養型の病院に入院する場合が挙げられます。
療養型の病院とは、病気を抱えている入居者がほぼ回復の見込みがなく末期の状態で、治療を受けながら最後の時を過ごす病院です。ホスピスという言葉を耳にしたことがある方もいるでしょう。いわゆる終末期医療ということになります。
ここに転院する場合は、これまで老人ホームにおいていた家具類は持っていかない方が多いでしょう。身の回りの日用品以外はもう使わないという前提だったりします。
老人ホームにおいてあった高齢者の家具を、家族や親戚が流用するというケースはそれほど多くはありません。特に大きい家具になればなるほど、処分するしかなくなる傾向があります。
不用品・遺品回収業者はそういったニーズにも答えることが可能なのです。
施設で出る不用品や遺品整理の物品の取扱方
入居者が亡くなったにしろ退去したにしろ、行う流れは同じです。まずは処分する物品を確認することになりますが、電化製品は冷蔵庫やテレビくらいです。掃除や洗濯は施設で行うためメインの大型処分物品は家具ということになります。
また、介護用品に関しては車椅子や歩行器など施設側が欲しがる場合が多いです。持っていても仕方ないですし、寄付するのが楽です。
あとは衣類が大量にあるはずです。下着類は特に多めに用意してあるはずです。この辺りに関しては流石にリサイクルには回せないので、一気に処分するのが得策です。
本も多い可能性があります。大量であれば古書買取業者を呼ぶか、施設に寄付するのもいいでしょう。
あと、最後に気をつけなければいけないのが、金銭や遺言状の類を秘密の場所においている場合が割と多いようです。
入居者が死亡後に施設職員が家具を動かしたら、隙間や下から封筒に入ったお金や手紙が数カ所から出てきたといった話はたまに聞きます。普段からご家族が施設に頻繁に訪問されている場合は問題ないですが、遠方でほとんど来られなかったり身内とは疎遠だった場合は、亡くなった後に一度お部屋の整理をされる日を設けたほうが無難でしょう。
施設や業者に投げっぱなしにすると予想外の出来事が起こる可能性もあります。
施設の不用品や遺品整理をスムーズに行う方法
まず入居者が予定期が決まって別の施設や自宅に退去される場合は、退去当日までに部屋の物品を全部引き上げておく必要があります。これが遅れると部屋の日数分費用が発生する場合がありますので速やかに行うことが必要です。
問題は死亡時ですが、この場合は死亡から数日は施設側の厚意で猶予期間をもらえる場合があります。ただ、入居待ちの希望者がいる場合は、急いで荷物も撤去しなければなりません。
一番楽なパターンは施設の中で通夜・葬儀を行える場合です。これであれば、死後一週間程度は施設に家族が出入りすることになりますし、その間に不用品回収業者を頼むこともできるでしょう。近くのエリアに誰か家族がお住いの場合も、比較的スムーズに処分が進みます。
しかし身寄りが遠くに住んでいるような場合、死亡後すぐに遠方で葬儀に関わることが進行するため、施設の手続きや不用品処分に関する内容はどうしても後回しになります。そのため、2,3週間施設に荷物が置きっぱなしになったり、入居費用が撤去時までかかってしまうことも多いようです。
施設の不用品回収の費用を抑えるには
できる限り費用を抑えるために、ご家族は死亡時の手続きや処理関係の段取りをあらかじめ決めておいた方がいいでしょう。
入居後、他の親族より長生きしたケース
よく聞くのが「施設に入居後ご本人がかなり長生きされ、それ自体は喜ばしいことなのだが、子供がおらず入居中に兄弟親戚など近親者が皆死亡してしまった。そして遠方の自分が後見人ということになったのだが、実際に頻繁に施設を訪れるのは難しく、万が一の時にどうしたらいいかわからない」というような状況です。
まず施設の担当者に状況を説明し、何かがあった時のために打ち合わせをしておきましょう。緊急連絡先や連絡の優先順位などを決めておく必要があります。延命措置をするかどうかというところまできっちり決めておくことで、混乱は抑えられる可能性があります。
死亡後の取り決め
また、死亡後の流れについては葬儀を行う場所、頼む葬儀社なども決めておいたほうがいいでしょう。不用品に関しては施設が頼んでいる不用品回収業者がいる場合があります。
施設のリフォームが必要になるケース
また部屋の簡単なリフォームが大抵の場合必要です。リフォーム業者と合わせて施設側で不用品回収業者を頼んでくれる場合があります。当然その分の費用は退去月(死亡月)の費用と一緒に請求されます。もし施設側で特に提携業者がいない場合は、事前に自分たちで決めておかなければなりません。