部屋が片付けられずゴミ屋敷化してしまう方のなかには、アスペルガー(アスペルガー症候群・アスペルガー障害)の症状を持つ人もいます。

アスペルガーの特徴や特性には片付けを苦手とするものがあり、こうした特性はゴミ屋敷化を招く要因となる場合があります。

今回は、アスペルガー症候群とゴミ屋敷の関係や、片付けられない場合の対処法や対策について解説します。

アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群(アスペルガー障害)とは、発達障害のひとつです。自閉スペクトラム症のうち、知能や言語の遅れといった特徴を持たないものをいいます。実はアスペルガーといった表現は古い言い方で、現在は診断基準も変わり「自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害・ASD)」としてまとめて表現するようになっています。

自閉スペクトラム症のなかでも、以下のような特徴がみられる場合、以前は「アスペルガー」と呼ばれていました。

  • コミュニケーション能力の障害
  • 強い独自性のあるこだわり(または偏り)
  • 感覚が敏感・または鈍感である

※本記事では伝わりやすいよう、「アスペルガー」と表現しております。

アスペルガー症候群とゴミ屋敷の関係は?

アスペルガー症候群とゴミ屋敷の関係は?

まず誤解がないようにお伝えしますが、アスペルガー症候群だからといって必ずしも部屋をゴミ屋敷にしてしまうというわけではありません。

そのうえで、アスペルガーの持つ特性がそうした傾向につながることもあるのだと理解いただければと思います。

整理整頓や収納をするのが苦手

アスペルガーの人は、全般的に物の収納や整理整頓をするのが苦手な傾向にあります。どこに何を収納すればうまく収まるのか、想像力を働かせることが得意でないためです。

そのため、ついつい物をテーブルや床に置いてしまう・積み重ねてしまい、すぐに散らかってしまうのです。

物に対するこだわりや執着がある

あれこれコレクションをしてしまう人や強いこだわりを持つ人、物を捨てることに抵抗感や不安感を抱く人もいます。ゴミとそうでないものとの区別や分別がうまくできず、「溜め込み症」と呼ばれる症状を引き起こしてしまうアスペルガーの人も珍しくはありません。

複数のタスクをこなすのが難しく、テキパキとゴミをまとめて処分するというのがとても苦手なため、次第にものが増えてしまうというのです。

感覚が鈍感で散らかっている自覚がないことも

アスペルガーの人の中には、片付いていない状態の部屋をみても「散らかっている」と感じない人もいます。

雑多な状況やゴミと不用品に溢れる部屋にいても、あまり気にならず、散らかっている自覚がないという人もいるのです。またなんとなく「片付けなければ」と思っていても、他に気持ちが向くことで片付けることから意識が逸れてしまうこともあります。

体調が安定せず片付ける気力がわかない人も

アスペルガーの人の中には、うつ症状をはじめさまざまな身体的不調につながる問題を抱えている人もいます。服薬治療を行っている人の中には、薬の副作用によってだるさや眠さ、起きられないといった不調に悩む人も少なくないのです。

体調が思わしくない日は、部屋の片づけを行う気力がわかないこともあるでしょう。そうした日が続いてしまえば、いつしか部屋が散らかりゴミ屋敷状態になってしまうのです。

コミュニケーションが苦手で孤立しやすい

人とのコミュニケーションが得意ではなく、片付けに関するアドバイスなどを受けても意味や内容が、うまく理解できないという人もいます。そのため、人と関わることに強いストレスを感じ、避けてしまうこともあるのです。

また部屋が散らかって自力で片付けられないという自覚があっても、人を頼ったり相談したりすることに思い及ばないケースも少なくないのです。

逆に強い罪悪感から、相談したり頼ったりすることを躊躇してしまう人もいます。ダメな人間だといわれてしまうのではないかといった、強い恐怖心が先立ってしまうという人もいるのです。

部屋をゴミ屋敷化させないための対策は?

部屋をゴミ屋敷化させないための対策は?

では部屋が散らかってしまいやすい特性を持つアスペルガーは、どのようにしたら部屋をゴミ屋敷化せずに済むのでしょうか。

いくつかできる対策についてお話します。

家族や友人を頼る

気の置けない家族や友人になら、片付けを手伝ってもらいやすいかもしれません。自分では散らかっているという自覚が持てない場合もあるので、あらかじめ困った時は助けてほしいと伝えておくのもひとつの手です。

特性について理解のある人で、無理なく甘えられるような人がそばにいてくれることが大切です。友人であれば、遊びに来たついでだからと気軽に片付けていってくれるような距離感の人だとベストです。宅のみなど定期的に家に招く予定を組んでチェックしてもらえば、散らかりすぎるといった事態も防げるでしょう。

片付け作業をルーティーン化しておく

アスペルガーは意図しないことや突発的なことに対して柔軟に動くのが苦手な一方、ルール化したことに関しては無理のないものであればしっかりとこなすのが得意だったりします。こうした特性をうまく生かし、片付けを行う曜日や範囲などをあらかじめ決めて、ルーティーン化すると散らかりにくい部屋作りができます。

散らかさないようにするよりも、決まったとおりに片付ける行動をとることのほうがハードルは低いはずです。「月曜の夜はペットボトルをまとめる」「火曜の朝は床に散らばる紙ゴミを拾う」など、スポット的にルーティーン化するのがポイント。壁に貼りだしたり、アプリなどを使って管理をするのもよいでしょう。

家事代行や便利屋サービスを利用する

部屋の片づけサービスや便利屋など、プロの手を借りてきれいな状態を保つのもひとつの方法です。ゴミ捨てのタイミングをいつも逃してしまうという人は、片付けと不用品処分をセットにやってもらえる専門家に依頼することでゴミを溜めてしまうといった問題も解決できるでしょう。

1週間に1回や2週間に1回など、定期的に片付けに来てもらえるサービスなどもあります。サービスに応じて、依頼者と一緒に片付けや整理収納を行ってくれる場合もあり、片付けの練習にもなるでしょう。

サービス提供会社によって料金は異なりますが、安い場合では2時間4,000円程度から依頼することも可能です。定期予約をしておけば、依頼するのを忘れてしまう心配もないので、きれいな状態を保ちやすくなるでしょう。

※ゴミは片付けてまとめるだけという会社が多いので、ゴミ捨てが苦手でゴミの処分もお願いしたいという方は依頼時にご確認ください。

不用品回収業者に相談する方法もおすすめ!

不用品回収業者に相談するのもあり!

もっとカジュアルに部屋の片づけを依頼したいなら、不用品回収業者にスポットで片付け依頼をする方法もおすすめです。

不用品回収業者というと、家具や家電など廃品を引き取りに来てくれるサービスというイメージが強いという方も多いかもしれません。

しかしほとんどの不用品回収業者では、部屋の片づけやゴミなどの回収処分も行ってくれるのです。

不用品の仕分けや分別をしてくれる

不用品の仕分けや分別、ゴミとそうでないものをより分けてくれるといった作業は、基本作業の中に含まれていることも珍しくありません。

掃除や整理収納などはオプション扱いとなるケースもありますが、片付けやゴミの処分などはプラン内で対応してくれるでしょう。

ゴミはそのまま回収処分してもらえる

不用品回収業者に片付けをしてもらった場合、その場でいらないと判断されたものはほぼすべて回収処分してもらえます。

自治体のごみ収集日に合わせてゴミを排出するのが苦手なアスペルガーの方にとって、これは非常にありがたいサービスです。買取可能なものがあれば、その分片付け費用から差し引いてくれることもあるので、オトクに片付け依頼もできるでしょう。

予算や目的に応じてお得なプランが多数ある

トラックのせ放題などの定額料金プランを活用すれば、用意してもらったトラックに乗るだけの不用品を回収してもらうことも可能です。

また「この部屋だけ片付けてほしい」など、片付け場所や不用品の量に応じた見積もり依頼なども柔軟に対応してくれます。

都合のよい時間帯が選びやすい

夜間などユーザーの都合のよい時間に合わせて対応してくれる業者も多いのも、アスペルガーの方におすすめする理由です。アスペルガーの方の中には、昼夜逆転しているかたや夕方以降の方が体調がよいという人も少なくありません。

家事代行は日中だけしか対応してもらえないことが多いですが、不用品回収業者なら夜間に作業依頼することも可能です。近隣への配慮もしっかり対応してもらえるので、安心して依頼できるでしょう。

部屋片づけ可能な不用品回収業者をお探しの方へ

不用品回収受付センターでは、多くの不用品回収業者を紹介しています。そのなかには、片付けを得意とする業者やスポットで片付けに来てくれる業者もたくさんあります。

アスペルガーに対して理解がある不用品回収業者なども多いので、不安な方は理解度の高さで業者を選ぶと安心です。

不用品回収センターでは、おすすめのゴミ屋敷片付け業者をランキングにて紹介しています。いずれも格安料金と信頼できる接客対応ができる業者のみを厳選しています。

片付けに関する相談をしたい場合は、ぜひ一度見積もり相談をしてみてはいかがでしょうか。

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