住まいをゴミ屋敷化してしまうという人の中には、精神疾患を抱えているという人も珍しくはありません。

すべての精神疾患がそうというわけではありませんが、精神疾患の症状によってはゴミ屋敷を生み出してしまう原因となることもあります。

本記事ではゴミ屋敷と精神疾患の関係や、改善策についてお話します。

部屋が片付けられずゴミ屋敷化してしまいそうなときの助けとなる、おすすめの片付け業者も紹介しますので最後までご覧ください。

精神疾患はゴミ屋敷の原因になりうる

精神疾患はゴミ屋敷の原因になりうる

住まいをゴミ屋敷にしてしまうには、さまざまな要因や原因があります。

精神疾患も、そうしたゴミ屋敷を生み出してしまう原因の一つです。

誤解をしていただきたくないのですが、精神疾患だからといって必ずしもゴミ屋敷にしてしまうというわけではありません。

精神疾患特有の疾病や症状によって、以下のような状況に陥ってしまうことが大きな要因なのです。

 

  • 身体や心の不調により片付けがしんどい
  • 物の収納や整理が苦手・集中して行えない
  • ゴミの分別や物の仕分けが苦手
  • ゴミの日や収集の時間帯にゴミの排出ができない
  • 物に対する執着が強く溜めこんでしまう
  • 気分の浮き沈みが激しく片付けが困難
  • 衝動的にものを購入してしまう
  • セルフネグレクトにより身の回りに気が向かなくなる

精神疾患を抱えていると、状況のような傾向が強くなりがちです。そのため、ゴミがたまってしまいやすく、片付けられない環境になってしまう傾向にあるのです。

ゴミ屋敷の原因となりやすい精神疾患や心の病は?

ゴミ屋敷化を引き起こしてしまうよな疾病が起こりやすい、精神疾患について解説します。

ため込み症(ホーダー・ホーディング障がい)

ため込み症とは、精神疾患に伴い必要以上に物をため込んでしまう症状をいいます。

ため込み症の人は長期にわたって物をため込んでしまうことで、その空間で生活することが困難になってしまうことも珍しくはありません。趣味でものを集めるコレクターとは異なり、マイナス的な思考や観念の元ものを収集してしまう(もしくは処分できない)傾向のも大きな特徴です。

ため込み症患者にとって、「物を捨てる」ということは、とてつもない苦痛やストレス、罪悪感を伴う行為となります。

捨ててはいけないと思い込んでしまう点では、強迫性障害と大きく関係しているともいえるでしょう。またなんらかの理由から、物を処分することが億劫に感じられてしまい、片付けないままの状態が続いてしまうというケースもあります。

 

ため込み症を引き起こしてしまうような症状のある、精神疾患には以下のような例があります。

 

強迫性障害(OCD)

強迫性障害は、何らかの行為や決断をする際に伴う不安感や強迫観念により、物を手放せなくなる症状を引き超すことがあります。

・二度と手に入らないのではないかという不安感から、必要と感じたものをつい余分に買い込んでしまう。自宅に十分にストックがあっても、出先で見てしまうとこの思いに駆られて買ってしまう。

・ゴミの分別をしている最中、ゴミの中に大切なものが紛れているのではないかという強迫観念に駆られてしまう。一度閉じたゴミ袋を開けて中身を確認しないと安心できず、つい開けてしまう。

これらの症状の積み重ねにより、物をため込んでしまうなどの強迫行為を引き起こしてしまうことや、疲れ果てて片付けられなくなってしまうこともあるのです。

 

注意欠如/多動性障害

AD/HD(注意欠如/多動性障害)には、注意力の欠如という特徴があります。整理整頓や物の分別が苦手であるために、ゴミをゴミとして処分するのが容易ではないことも少なくありません。

またよくものを紛失してしまうことなどから、同じものを何度も購入してしまうといった問題もあります。集中力を保つのも難しいことが多いため、片付けや分別をしてしても気が散ってしまい、中断してしまうことも珍しくはありません。

 

ASD(自閉症スペクトラム障害)

ASD(自閉症スペクトラム障害)を持つ方の中には、物の整理や分別を考ることや、捨てるという決断自体が煩わしいと感じてしまう特性の方もいます。またこだわりが非常に強く、いらないものと必要なものを適切に判断するのも苦手な傾向にあります。

同時に物事を進めるのもあまり得意ではないため、片付け作業に集中できなかったり、パニック症状を起こしたりしてしまうこともあるのです。

 

統合失調症

統合失調症は、幻覚や幻聴、被害妄想などにかられ、感情や思考のバランスが取れなくなる疾患です。これらの症状が現れたとしても、本人はそれを病気によるものとして自覚していないことがほとんどです。

「ゴミを出せば個人情報を盗み見られてしまう」「外に出れば後ろから男性が付いてくる」などといった幻覚や被害妄想が起こることも。強い被害妄想から自分を守るため、物をため込んでしまったり、家から外出することが減ってしまったりすることも少なくありません。

結果的にゴミや物がたまってしまい、ゴミ屋敷化してしまうのです。

 

買い物依存症

買い物依存症とは、衝動的に買い物をしてしまう精神疾患の症状の一つです。うつ病や不安症、強迫性障害や双極性障害などの精神疾患を持つ患者に起こることがあります。

買い物を行うことで一時的に気分が高揚し、嫌なことから気持ちが切り替わるため、ついつい買い物行為を繰り返してしまうというのが特徴です。物を買うこと自体が目的ではないため、購入品を未開封のまま室内に放置してしまう例も少なくありません。

実際女性のゴミ屋敷の片付けでは、ゴミだけではなく新品の洋服やブランドバッグなどが多数、ゴミに埋もれた状態となっているケースも多いのです。

 

双極性障害・うつ病(うつ症状)

双極性障害は、気分の高まりや落ち込みなど、躁状態とうつ状態を繰り返してしまう脳の疾患です。躁状態のときは活発ですが、うつ状態になると何も手につかないほど激しく落ち込み無気力になってしまいます。

散らかった状態のままの部屋を見て罪悪感を覚えることも多く、このままではいけないと思うものの、片付ける気力がわかないままゴミがたまり続けてしまいます。

再び躁状態になった時には散らかっている状態でも気にならず、まぁいいか、どうにでもなるかと楽観的な気分になってしまうこともあります。気分が高揚して衝動買いなどをしてしまうこともあるため、ゴミ屋敷状態を助長してしまうこともあるのです。

 

セルフネグレクト

うつ病や双極性障害などの精神疾患をもつ人の中には、セルフネグレクトを起こしてしまう人もいます。セルフネグレクトとは、成人が生活維持能力や意欲を失い、健康や安全な生活を損なう状況のことをいいます。単なる無気力とは違い、病的なまでに生活がすさんだ状態となるのが特徴。

周囲から見て明らかに「これは良くない」という状況に陥っている場合でも、周囲に助けを求めたりしないケースも少なくありません。ゴミ屋敷状態の部屋で暮らしていること自体、セルフネグレクトといえるでしょう。

認知症

認知症と診断された方の中には、認知機能の低下により「ため込み症」や「被害妄想」「強迫性障害」などを起こしてしまう方もいます。ゴミの日がわからなくなってしまうほか、ゴミの分別や処分が困難になってしまうというケースも多いです。

実行機能障害によって片付け作業が困難となってくるほか、判断力なども低下してしまうことも多く、ゴミ屋敷化がすすんでもそれを適切に判断できなくなってくることもあるのです。

精神疾患によるゴミ屋敷化、どうすれば解決できる?

精神疾患によるゴミ屋敷化、どうすれば解決できる?

精神疾患やその症状によってゴミ屋敷化してしまう場合の対処法や、解決策について解説します。

治療ができる場合は適切な治療を受ける

精神疾患そのものは完全に治療が難しくとも、症状自体は薬で落ち着かせることができる場合もあります。

深刻な症状を抱えている場合は、治療も容易ではありませんが、健康的な体と心を保つためにも適切な治療を受けることは大切です。

これまでに受診をしていない場合には、まずは一度専門医に相談してみるようにしましょう。

 

できる範囲から片付けに挑戦してみる

精神疾患を抱えている状況では、なかなかその行動や問題を自力で解消させることはできません。ゴミ屋敷を一度にすべて自分で片づけようとしても、簡単なことではありません。

そんな時は、「まずは1分だけ片付けてみよう」「今月は洋服を買うのを我慢してみよう」など、負担の少ない範囲でゴミ屋敷化にストップがかかる行動をとってみることをおすすめします。物を減らすのが難しければ、増やさない努力をするだけでもいいです。

精神疾患や症状にって対策は異なりますが、「できた」ということが成功体験や自己肯定感へとつながり、一歩でも前進できる場合もあるのです。

 

恥ずかしいと思わず人の助けを借りる

自力での解消がむずかしい場合には、思い切って周囲の人に助けを求めることも大切です。友人知人に相談するのが困難であれば、

思い切って福祉の手を借りたり、民間業者にゴミ屋敷の片づけを依頼したりするのもおすすめです。

民間のゴミ屋敷片付け業者は、費用こそ掛かってしまいますが、プライバシーに配慮した対応が期待できます。業者によっては定期清掃などを依頼することもできますので、一度きりの片付けだけでなく、ゴミ屋敷化を防ぐことも可能です。

不用品回収業者や片付け業者に片付け依頼をする際の注意点

民間の業者にゴミ屋敷の片づけを依頼する場合は、以下のポイントに注意をして業者選びをしましょう。

 

  • 片付け時はしっかりと要望を聞き、寄り添ってくれる業者に依頼する
  • 精神疾患に対する知識や理解のある業者を選ぶ
  • ゴミ屋敷片付けの料金プランと料金体系、オプション料金などを確認する
  • しっかりと事前見積もりを行ってくれる業者のみを選ぶ
  • 追加費用が発生する例についてもあらかじめ説明してくれる業者を選ぶ
  • 個人情報保護に関する認識が適切な業者を選ぶ
  • 選ぶ際は片付けだけでなく不用品処分も行ってくれるところに

精神疾患を抱えている状態での、ゴミ屋敷の片づけはとても大変です。しっかりと事前に打ち合わせや相談を行っておかなければ、必要なものを処分されてしまうなどあとあとトラブルに発展してしまう場合もあります。

無用なトラブルや誤解を生まないためにも、事前の打ち合わせや気持ちを理解してくれる業者を選ぶことが大切です。精神疾患に理解のある、ゴミ屋敷片付け業者などに相談することも検討しましょう。

 

不用品回収受付センターでは、精神疾患によるゴミ屋敷片付けの経験や知識が豊富な、理解度の高い片付け業者を多数紹介しています。

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