本記事では、ゴミ屋敷と火事の関係性について解説します。
ゴミ屋敷の火事は、出火元だけでなく周囲にも大きな被害をもたらします。
「自分の家は大丈夫」と思っている方もいますが、ゴミ屋敷の火事は決して他人事ではありません。
ゴミ屋敷は一般家庭に比べて火事のリスクが高く、すぐに対策が必要です。
今回は、ゴミ屋敷が火事になりやすい主な原因と具体的な事例を詳しく解説します。
ぜひ、参考にしてみてください。
自分のゴミ屋敷で火事が起きる原因
ゴミ屋敷で火事が起きる主な原因は、以下の3つです。
- タバコやコンロから出火する
- トラッキング火災が起こる
- ゴミ屋敷を良く思わない他人が放火する
それぞれの内容を詳しく解説していきます。
タバコやコンロから出火する
ゴミ屋敷での火事は、タバコの不始末やコンロの消し忘れなどが主な原因です。
タバコの不始末が原因で周囲に散らばった可燃物に火が燃え移り、火事に発展するケースが多く見られます。
また、コンロの近くに置いてある可燃物に火が燃え移ることも火事の原因の1つです。
調理後に火を消し忘れるなどして火事につながるケースが多々あるため、コンロの扱いには十分に気を付けましょう。
ストーブから引火する
冬場にゴミ屋敷でストーブを使うと、それが石油ストーブではなく電気ストーブであったとしても、周囲のゴミに引火することがあります。
ストーブの上部で衣類を干していたり、布団を置いている場合はなおのこと注意が必要です。
また、夏場はペットボトルが日の光を集めて引火することもあるので、ゴミ屋敷自体を片付けることが大切です。
トラッキング火災が起こる
ゴミ屋敷では掃除が不十分なため、電気配線周りにホコリやゴミが溜まりやすく、トラッキング火事が発生しやすい環境です。
コンセント周りに溜まったホコリやゴミに電流が流れて発熱すると、いつ火事が発生してもおかしくありません。
また、配線がゴミに埋もれていたり、破損していたりするケースもあり、火種に気付かないこともよくあります。
そのため、気付かないうちに火事になってしまうのです。
ゴミ屋敷を良く思わない他人が放火する
ゴミ屋敷は、近隣住民から迷惑に思われることが多く、放火のターゲットになりやすいとされています。
ゴミ屋敷が原因で周辺住民が生活に支障をきたしたり、健康被害を受けたりする場合があり、不満を抱いた住民がやむを得ず放火に及んでしまうことも考えられるでしょう。
また、ゴミ屋敷の住民に対する嫌がらせとして、放火が行われるケースも少なくありません。
深夜・早朝の放火は防ぐのが難しいので、ターゲットにされないように意識することが大切です。
【事例】実際にあったゴミ屋敷での火事
ゴミ屋敷での火事は全国各地で発生しており、その被害は甚大です。
ここでは、神奈川県平塚市・福島県郡山市・愛知県豊田市の事例を参考に、ゴミ屋敷での火事の実態と危険性について詳しく解説します。
神奈川県平塚市の事例
神奈川県平塚市平塚2丁目の木造住宅で、2020年12月3日(午後2時40分すぎ)、火事が発生しました。
住人の男性がライターでコンロに火をつけようとしたところ、ビニールに引火したのが出火原因です。
ゴミ屋敷内に大量の可燃物が堆積していたため、火は瞬く間に広がり、周辺の建物に燃え移りました。
この住宅は長年にわたってゴミが蓄積され、近隣住民からも問題視されていたゴミ屋敷です。
この火事では、周辺の建物6棟が全半焼するなど甚大な被害が出ており、当時の報道が記憶に残っている方も多くいるでしょう。
また、住人だけでなく、周辺住民も一時避難を余儀なくされるなど、地域全体に大きな影響を与えました。
福島県郡山市の事例
福島県郡山市菜根4丁目の木造平屋建てのゴミ屋敷で、2016年10月12日(午後11時26分ごろ)、火事が発生しました。
出火の原因は特定されておらず、焼け跡からは住人とみられる男性の遺体が発見されています。
このゴミ屋敷は、以前から全国的に報道もされており、市には多数の苦情が寄せられていて、同年3月に行政代執行により大量のゴミが撤去されていました。
強制撤去時には、「火災が心配だったので、ホッとしている」などといった近隣の住人の声が報道されましたが、住人の男性は強制撤去後もゴミを集めていたそうで、命を失うといった最悪の結果を招いてしまいました。
愛知県豊田市の事例
愛知県豊田市の木造2階建ての住宅で、2015年8月25日(午後6時40分ごろ)、火事が発生しました。
この火事で出火元は全焼し、周辺の住宅に延焼するなど大規模な被害となりました。
出火当時、住人が蚊取り線香を炊いていたため、それが原因だったと報道されています。
出火元の住宅は、以前から敷地や周辺の道路に大量のゴミが放置されて問題になっていました。
また、ボヤ騒ぎが何回かあったため、2010年と2013年に行政代執行や近隣住民によってゴミの撤去が行われていたとのことです。
しかし、ボヤ騒ぎでは済まない火事が起きてしまい、両隣を含む3棟の住宅に被害が及んでいます。
幸いなことに、怪我人や死亡者が出たという報道はありませんでしたが、ーつ間違えば多くの方の命すら危うい事件でした。
このように、ゴミ屋敷の火事は大きな被害になるケースが多いため、十分に注意しなければなりません。
ゴミ屋敷での火事はなぜ危険?
ゴミ屋敷の火事が危険なのは、主に以下の4つの理由があります。
- すぐに火が燃え広がる
- 出火に気が付かないケースもある
- 周囲に被害が及ぶ
- 自身を含めて関わる人の命や家財も危ない
それぞれについて詳しくみていきましょう。
すぐに火が燃え広がる
ゴミ屋敷には、紙類・布類・プラスチック製品など、可燃性の高い物が大量に積み重なっていることが多く、ほんの少しの火種からでも火が燃え広がりやすい状況にあります。
そのため、一度火がついてしまうと短時間で建物全体に燃え広がり、消火が困難になるケースも多いので注意が必要です。
出火に気が付かないケースもある
ゴミ屋敷では物が散乱していて視界が遮られるため、小さな火に気づきにくく、火が大きくなってから初めて気づくことも少なくありません。
特に、寝具やカーテンなどに火が燃え移ると、煙で視界が遮られて避難が困難になります。
周囲に被害が及ぶ
ゴミ屋敷での火事のほとんどは、ゴミ屋敷に住む本人だけでなく、周辺住民にも大きな被害をもたらします。
火が燃え広がり、隣家や周辺の建物に延焼するだけでなく、大量の煙が発生して健康被害を引き起こします。
実際に、神奈川県平塚市の事例では6棟を巻き込む火事が起きており、ゴミ屋敷で火事が起こった際の被害の大きさがうかがえるでしょう。
自身を含めて関わる人の命や家財も危ない
一般的な家屋の火事でも救助が難しいのに、ゴミ屋敷になるとゴミの海です。家に入ることすら難しい中で救助をしなければなりません。
集合住宅の部屋や、戸建ての1階だけがゴミ屋敷の場合はまだマシですが、2階も3階もベランダもゴミの海となると、どこから入れば良いのか、どこに人が倒れているか、どこから出火したのかさえわかりません。
火が迫る中救助に向かう側も、足場の悪い中でゴミの臭いや煙と戦いながら、人を探さなければならず、体力を消耗します。
同じように残火処理も難しく、なかなか火が鎮火しません。
ゴミ屋敷に住んでいる本人や周囲の住民、消防隊員すらも火事に巻き込まれ、命を落とす危険性が高いと言えます。
また、火事によって建物だけでなく、家財道具も全て焼失してしまうこともあるので、経済的な損失も大きくなるでしょう。
ゴミ屋敷に住んでいる方は、一刻も早く現状を改善して火事の危険性を減らす努力をすることが大切です。
ゴミ屋敷で火事を起こさないためのポイント
ゴミ屋敷で火事を起こさないためのポイントは、主に以下3つがあります。
- コンセントの周辺に物を置かない
- タバコの不始末やガス栓の閉め忘れに注意する
- ゴミや不用品を片付ける
それぞれについて詳しく解説します。
コンセントの周辺に物を置かない
コンセント周辺に物が密集すると、発熱したコンセントから火花が飛び散り可燃物に引火する危険があります。
ホコリも溜まりやすいため、ショートの原因にもなるので注意が必要です。
具体的な対策としては、コンセントの周りは定期的に清掃してホコリを貯めず、物が直接接触しないようにしましょう。
また、タコ足配線は避けて使用していない家電のプラグを抜いておくと、より火事を効率よく防げます。
タバコの不始末やコンロ、ストーブの消し忘れ注意する
火事の原因の中でも多いのが、タバコの不始末とコンロやストーブからの出火です。
タバコの火種は燃えやすいゴミに飛び散ることで火事になりやすく、特に寝タバコには注意しなければなりません。
コンロでは調理後にうっかりして消し忘れたり、揚げ物の最中に少しのつもりで離れた時に出火したりすることもあります。
タバコを吸う際は極力寝室は避けて灰皿を必ず使い、周囲に燃えやすいものがないか確認しましょう。
また、コンロやストーブを使用する際はその場から離れず、寝る前や外出する前には、必ずコンロやストーブの火を確認してガスの元栓を締めるクセをつけるようにするのがおすすめです。
ゴミや不用品を片付ける
ゴミ屋敷のように、大量のゴミが蓄積されていると火が燃え広がりやすく、消火が困難になります。
ゴミの中にはライターやスプレー缶など、爆発性のものが混ざっている場合もあり、そのまま放っておくのは非常に危険です。
しかし、ゴミや不用品の片づけが面倒で、そのままにしてしまう方もいるでしょう。
面倒に感じる場合は放置するのではなく、プロの業者に相談するのがおすすめです。
不用品回収業者であれば、ゴミ屋敷をキレイに片付けた上で不用品やゴミも一気に回収してくれます。
また、中にはハウスクリーニングや掃除代行を一緒に依頼できる業者もあり、一気にキレイにすることが可能です。
ゴミ屋敷の火事を防ぐなら「不用品回収業者」へ相談
今回は、ゴミ屋敷で火事が起きる原因や危険性、防ぐためのポイントなどを紹介しました。
ゴミ屋敷でお悩みの場合は、「不用品回収受付センター」への相談がおすすめです。
不用品回収受付センターでは、ゴミ屋敷を片付けられるだけでなく、ハウスクリーニングや特殊清掃、掃除代行にも対応している業者を多数掲載しています。
どの業者も優良で気軽に相談でき、初めての方でも安心です。
また、出張・見積もり・キャンセル料がかからない業者も多々あるので、複数の業者を比較検討しながら選べます。
ゴミ屋敷で火事が発生するリスクにお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。
プロの業者にスッキリ片付けてもらい、火事が起きるリスクを最小限に減らしましょう。