ガーデニングなどを行なっていると、困ってしまうのが土の処分方法です。お子さんが夏休みの観察用に持ち帰ったプランターの土の処分に頭を悩ませている、という親御さんも実は少なくありません。
土はさまざまな理由から、自治体での処分がNGとされている地域もあります。正しく処分しなければ、場合によっては方に触れてしまう可能性もある品目です。
本記事では土の正しい処分方法について解説。手間をかけず便利に処分するための、不用品回収業者の活用についてもお伝えしていきます。
土の処分にお困りの際は、ぜひ参考にしてください。
土を適切に処分しないと違法になることがある
土は、山や空き地などそこらじゅうにある自然のものです。そのため近隣の空き地や裏山、公園などに捨ててもよいのでは?と考える人もいるかもしれません。
しかし私有地はもちろん、公共の土地も含めて、敷地外に土を捨てることは「不法投棄」にあたる違法行為となるため注意が必要です。
不法投棄を行えば、個人であっても以下のような刑罰を受ける場合があります。
・5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する
もともとは自然界のものである土ですが、なんらかの形で人間が使用した土は、すでに自然のものではなくなっています。
ガーデニングや観葉植物などで使用した土は、栄養剤やそのエリアに自生していない植物の種などが混在している可能性もゼロではありません。
むやみに捨ててしまうことにより、土地の汚染や生態系の破壊に繋がってしまう可能性もあるのです。
土は自治体にゴミとして出せない品目です
土を屋外に排出できないのであれば、自治体のゴミとして処分すればよいのでは?と思われた方もいるでしょう。
しかしほぼ全ての自治体では、どのゴミ回収でも土は回収不可となっています。
✖️燃えるゴミ
✖️燃えないゴミ※
✖️粗大ゴミ
※一部自治体では、少量の土であれば不燃ゴミとして出せるところあります。袋一個程度やプランター2個くらいなど、量は自治体によって異なります。
土は処理困難物にあたるため自治体で処理できない
同じような自然由来のゴミでも、草や枝などは自治体の回収対象になりますが、土はどのゴミでも回収してもらうことができません。
土が「処理困難物」にあたるということが、その理由です。
処理困難物とはその名の通り、自治体のゴミ処理施設で破砕処理や燃やすなどの処理ができないもののことをいいます。
土や砂などは単純に処理できないだけでなく、細かな土の粒子が処理施設の機械の隙間に入り込み故障にも繋がってしまうため、処理のしようがないのです。
土の正しい処分方法は?
それでは不法投棄などに当たらないための、土の正しい処分方法を紹介します。
土を自宅敷地内にまく
屋外への処分でも、自宅敷地内であればなんら違法にはあたりません。
費用もかかりませんので、空いているスペースがあがあればそこへ捨てるかたちでよいでしょう。
ただし処分の際は、側溝や排水溝を埋めてしまわないよう注意が必要です。また雨や風で捨てた土が敷地外へ出てしまわないよう、捨て方に配慮することも大切です。
ご近所さんの迷惑になるような廃棄の仕方はしないようにしましょう。
用土を購入したホームセンターに回収してもらう
ホームセンターの中には、自店で購入した用土に限り使用済用土の回収を行っているというところもあります。
回収には条件がありますが、不要になった土が手元に残さずにすむためとても便利です。
土の回収を行っているホームセンターには、以下のような店舗があります。
- 島忠ホームズ
- ジョイフル本田
- ユニディ
- ホームセンタータイム
※費用や回収方法など、詳細はホームセンター各店へお問い合わせください。
小学校や地域センターなどで行う資源回収を利用する
定期的に小学校や地域センターなどで、土の資源回収を行っているという自治体もあります。
自治体で回収してもらう場合、回収費用はかかりませんので、無料で土を処分したいという場合にはピッタリの処分方法でしょう。
東京都内では、以下のように小学校や地域の施設などで少量の園芸用土の回収を行っています。
・東京都中央区:一世帯20リットル袋ひとつまでの園芸用土を、毎週土曜の午前中、中央区内の小学校にて回収
・東京都品川区:異物を取り除いた園芸土プランター2個分くらいまでを、毎月第2・第4土曜日に拠点回収(小学校や品川第一地域センター)にて回収
・東京都台東区:20リットル袋1つまでの用土を、防災広場根岸の里(偶数月・第4土曜日)または環境ふれあい館ひまわり( 奇数月・第4土曜日)にて回収
いずれも回収してもらえる量は少量ですが、便利に活用できます。ただしすべての自治体が同じ対応をしているわけではないため注意が必要。また回収拠点まで自力で運ぶ必要があるため、その点に留意する必要があるでしょう。
ジモティーで近隣の方へ売る・譲渡する
ジモティーは、ご近所さんなどを対象に不用品の譲渡や売却が行える、マッチングサービスです。
引取りなどを条件に出品すれば、配送など手間や費用をかけずに、土の処分ができます。
個人を相手にやり取りする必要があることや自宅を知られてしまうなどのリスクが伴うため、その点を理解した上で利用することが大切です。
専門業者に回収してもらう
日ごろから土を扱うことがある専門業者や、廃棄のルートを持つエクステリア業者、建材店などに処分を依頼できる場合もあります。
ただしあまりにも土の量が少量すぎると、回収処分を断られてしまうこともあるため事前の確認が必要です。
残土処分などの回収処分をおこなっている専門業者の場合、1キロあたり50円〜165円程度(混入物やプランターの有無で変わる)で回収処分してくれます。
ただし自宅まで来てもらう場合は、地域ごとに基本料金が別途必要となる場合もあるため確認が必要です。このような専門業者では土の他にも砂やコンクリートブロック、砂利などの回収にも対応していますが、一般的な不用品は回収の対象外となります。
不用品回収業者に回収依頼する
地域に対応している不用品回収業者でも、土の回収処分をおこなってくれるところはたくさんあります。
不用品回収業者の場合、1キロ当たり50~100円程度が回収費用の目安です。
土や砂などを専門とする業者と大きく違うのは、土以外の不用品も一緒にまとめて回収できる点です。
自宅で不用品となったガーデニング用品一式の処分などももちろん可能。業者によっては、屋外に設置している倉庫なども解体・回収してもらえる場合もあります。
もちろんガーデニング関連に限らず、ご自宅内でいらなくなったもののほぼすべての品を回収してもらえるのでとても便利です。
土を処分する際の注意点
自治体や専門業者に土の処分を依頼する場合、いくつか注意すべきことがあります。
基本的に土以外の異物は取り除く
土を処分する際は、小石や根、種子などの異物は基本的に取り除いたうえで処分します。
自治体での回収の場合、異物が多く含まれていると回収不可となることもあるため注意が必要です。とても面倒に思われるかもしれませんが、ふるいなどを使って異物と土を分ける必要があります。
また専門業者の場合は、異物が含まれているのとそうでない土とでは、回収費用が変わります。安く処分したい場合には、こちらも異物と土を分けて排出する必要があるでしょう。
土の回収は小分けにする必要がある
自治体で土の回収を行っている場合、自治体のルールに応じて小分けにして持参する必要があります。自治体によっては袋の大きさや色(半透明)などが決められている場合もあるため、ちょうどよい袋がない場合には購入するなどの手間もあるでしょう。
回収できる量にも上限があるので、大量に処分が必要な場合は、何か月もかけて少しずつ処分する必要もあります。
専門業者に回収してもらう場合でも、基本的には土のう袋など丈夫な袋に分けて回収依頼をする必要があります。袋分けされていない場合は、別途袋の費用や手数料がかかる場合もあるのです。
専門業者の場合自宅回収は基本料金(出張費)が別途必要
土や砂を回収する専門業者の場合、自宅まで引き取りに来てもらう際には、基本料金(出張費)が加算されるところがほとんどです。玄関先以外での受け渡しの場合、運び出し料金が必要となる業者もあります。
出張費の金額は地域によって異なりますが、近隣では1,000円程度、遠方だと3,000円ほど加算されることも珍しくはありません。たとえば遠方で5kgの土(根などが混じっている)の処分を依頼する場合、4,000円ほどの費用がかかる場合もあるのです。
少量の土でも回収してくれる専門業者は多数ありますが、依頼時は回収費用以外にかかる費用についてもしっかりと確認しておくことが大切でしょう。
手間や負担を減らすなら不用品回収業者がおすすめ!
少量の土の処分なら、自治体を利用するのが費用もかからずオトクです。
しかしある程度の重量がある場合や、根などが混在した土を処分したい場合には、不用品回収業者の活用がおすすめです。
不用品回収業者なら大量の土の処分はもちろん、異物などが混在した状態のままでも回収してもらえます。運び出しなどもスタッフがすべて対応してくれるので、小分けにしておく手間などもありません。
不用品回収業者なら土以外の不用品も、一度にまとめて処分できます。
土以外の不用品がある場合にも、不用品回収業者が便利で安く活用できますので、ぜひ利用を検討してみてください。