本記事では、引っ越し時の高額請求を避けるための考え方と具体的な対処法をわかりやすく解説します。
引っ越し前に不用品回収をしておくことで、退去時の原状回復費用を抑えて高額請求を避けられます。
この記事でわかること
・引っ越しで高額請求が起きやすい具体的なパターン
・ゴミ屋敷や孤独死で現状回復費用が膨らむ理由
・高額請求を防ぐために先に不用品回収をするべき理由
・不用品回収費用と原状回復費用のおおよその相場
・引っ越しで高額請求されたら取るべき正しい対処法
引っ越しで高額請求が起きるのはどんなとき?4パターンを解説

引っ越し時の高額請求は、単に部屋が汚れているから起きるわけではありません。
不用品回収が後回しになっていたり、作業動線が確保できていなかったりすると、作業量が増え、その分だけ費用が積み上がります。
特に、ゴミ屋敷状態や孤独死が関係するケースでは現状回復費用が想定以上に膨らみやすくなります。
まずは、どのような状況で高額請求が起きやすいのかを整理しておきましょう。
| 主な原因 | 費用が上がる理由 |
|---|---|
| パターン1:ゴミ屋敷状態 | 不用品の量が多く、人手と時間が増える |
| パターン2:強い汚れや臭い | ハウスクリーニングや特殊清掃が重作業になる |
| パターン3:孤独死 | 特殊清掃と修繕費が別で発生する |
| パターン4:動線が確保できない | 作業効率が下がり追加費用が出やすい |
パターン1:ゴミ屋敷状態で不用品回収費が跳ね上がる
ゴミ屋敷状態の部屋では、家具や家電だけでなく、生活ゴミや分別が必要な物が大量に残っていることが多いです。
引っ越しに伴う不用品回収では、単純な量だけでなく、仕分けや袋詰め、搬出にかかる時間も費用に影響します。
床が見えないほど物が積み重なっている場合、作業員の人数を増やしたりトラックを複数台用意したりする必要があり、その分だけ回収費用が高くなりやすいです。
ゴミ屋敷の対処法について詳しくはこちら!
パターン2:汚れや臭いでハウスクリーニングや特殊清掃が重作業になる
ゴミ屋敷片付けや遺品整理では、長期間放置された汚れや臭いが残っており通常のハウスクリーニングでは対応できません。
こうした場合には特殊清掃が必要になり、費用も高額になります。
床のこびりついた汚れ、水回りのカビ、腐敗臭などがある場合は、追加の洗浄や消臭作業が必要です。
作業日数が延びるほど人件費がかかり、結果として原状回復費用が高額になりやすくなります。
パターン3:孤独死は特殊清掃と修繕費が別建てになり原状回復費用が膨らむ
孤独死が発生した部屋では、除菌や消臭を目的とした特殊清掃が必要になるケースが多く見られます。
さらに、体液や臭いが床材や壁の下地まで染み込んでいる場合は、床や壁の張り替えといった修繕費が別途発生します。
特殊清掃と修繕費は性質が異なるため、見積もりも別建てになり、合計額を見ると高額請求に感じやすいのです。
パターン4:引っ越しの荷物でゴミを片づける動線がふさがれている
引っ越し準備中に荷物を部屋いっぱいに置いてしまうと、ゴミや不用品を外に運び出す動線が確保できなくなります。
この状態では、遠回りで搬出したり、荷物を一時的に移動させたりする必要があり、作業効率が大きく下がります。
結果として作業工数の増加や時間延長が起き、追加料金が発生しやすくなるため注意が必要です。
高額請求を避けるには不用品回収で先に部屋を空にしよう

引っ越し時の高額請求を防ぐうえで、最も効果的なのが原状回復の前に不用品回収を終わらせることです。
部屋に物が残ったままでは清掃や修繕の範囲が確定せず、見積もりが大きくぶれやすくなります。
先に部屋を空にすることで、作業内容が整理され、結果として原状回復費用を抑えやすくなります。
ゴミを出せる動線を作っておく
引っ越し前の不用品回収では、玄関や廊下、階段などの動線が確保できているかどうかが作業効率を左右します。
動線がふさがれていると荷物の移動や仮置きが必要になり、作業時間も延びやすいです。
これはそのまま人件費の増加につながります。
事前に意識したいポイントは以下の通りです。
- 玄関から不用品までの通路を空けておく
- エレベーターや階段付近に物を置かない
- 回収対象と残す荷物を明確に分ける
こうした準備をしておくだけで当日の作業がスムーズになり、追加料金が発生しにくくなります。
残置物をゼロにして原状回復費用を抑えられる
原状回復費用が高額になりやすい理由の一つが、残置物がある状態で清掃や修繕を進めてしまうことです。
物が残っていると清掃範囲が限定されたり、後から追加作業が必要になったりします。
不用品回収で残置物をゼロにすると、次のようなメリットがあります。
- ハウスクリーニングの範囲が明確になる
- 修繕が本当に必要な箇所だけを判断できる
- 作業の二度手間がなくなり総額が抑えられる
結果として原状回復費用を積み上げ方式で把握でき、高額請求を防ぎやすくなります。
ゴミ屋敷状態・孤独死でも対応可能
ゴミ屋敷や孤独死が関係するケースでは、「どこから手を付ければいいかわからない」という状況になりがちです。
そこで、不用品回収業者であれば大量の残置物や分別が難しいゴミもまとめて対応でき、その後の特殊清掃まで依頼可能です。
孤独死の現場では不用品回収→特殊清掃→修繕と工程が分かれることが多く、最初に残置物を撤去することで、その後の清掃や修繕の必要範囲が正確に見えてきます。
工程を整理する意味でも、不用品回収を最初に行うことは合理的です。
引っ越し前の不用品処分は自治体より不用品回収業者がおすすめ
不用品処分には自治体による粗大ゴミ回収という選択肢もありますが、引っ越し前の状況では不用品回収業者のほうが向いているケースが多くあります。
自治体回収と不用品回収業者には以下のような違いがあります。
| 比較項目 | 自治体回収 | 不用品回収業者 |
|---|---|---|
| 回収までの期間 | 数日〜数週間 | 即日〜希望日に対応 |
| 処分できる量 | 制限あり | 大量処分が可能 |
| 搬出作業 | 自分で行う | スタッフが対応 |
| ゴミ屋敷・孤独死 | 対応不可が多い | 対応可能 |
引っ越しは期限が決まっているため、早く・まとめて処分できるかどうかが重要です。
不用品回収業者を利用すれば、部屋を一気に空にでき、その後のハウスクリーニングや特殊清掃もまとめて依頼できます。
高額請求を避けたい場合こそ、まずは不用品回収を依頼し、作業の順番を整理することが現実的な対策といえます。
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不用品回収と原状回復費用の相場

引っ越し時の高額請求は、不用品回収の費用と、部屋を元の状態に戻すための原状回復費用が同時に発生して金額が膨らむことで起きやすくなります。
ここでは、見積もりが妥当か判断できるよう、目安となる相場を整理します。
不用品回収の費用相場
不用品回収の費用は量や運び出し条件、間取りで大きく変わります。
引っ越し前など、大規模な片付けでよく使われるのが、トラック積載プランです。
トラック積載プランとは、トラックのサイズを指定して一定量まで一気に回収する方式です。
【トラック積載プランの相場(首都圏)】
| トラック積載プラン | 目安の間取りとトラック | 料金相場 (平車、箱車などトラックによる) |
| Sプラン | 1R~1K・軽トラック | 15,000円〜20,000円 |
| Mプラン | 1DK~2DK・1.5tトラック | 30,000円~40,000円 |
| Lプラン | 2DK~2LDK・2tトラック | 50,000円~70,000円 |
| LLプラン | 3DK以上・4tトラック | 80,000円~要見積もり |
また、不要品回収の中でも高額になりやすいパターンがゴミ屋敷や遺品整理です。
どちらも、通常の不用品回収より人手と分別作業が増えやすく、費用帯が上がりがちです。
【ゴミ屋敷片付けの費用相場】
| 間取り | 料金相場の目安 |
|---|---|
| 1R・1K | 3万〜8万円程度 |
| 1DK | 5万〜12万円程度 |
| 2DK | 9万〜25万円程度 |
| 3LDK | 17万〜50万円程度 |
| 4LDK以上 | 22万〜60万円程度 |
【遺品整理の費用相場】
| 間取り | 料金相場 |
|---|---|
| 1R・1K | 3万〜8万円 |
| 1DK | 5万〜12万円 |
| 1LDK | 7万〜20万円 |
| 2DK | 9万〜25万円 |
| 2LDK | 12万〜30万円 |
| 3DK | 15万〜40万円 |
| 3LDK | 17万〜50万円 |
| 4LDK以上 | 22万〜60万円 |
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原状回復費用の相場
原状回復とは、借主が部屋を入居前の状態まで戻す作業を指します。
不注意でつけてしまった傷や汚れを回復させるための費用を負担しなければならず、相場は以下のようになっています。
【間取り別の費用相場】
| 間取り | 料金相場 |
|---|---|
| 1R・1K | 50,000円〜55,000円 |
| 1DK・2K | 55,000円〜60,000円 |
| 1LDK・2DK | 60,000円〜65,000円 |
| 2LDK・3DK | 65,000円〜80,000円 |
| 2LDK・4DK | 80,000円〜90,000円 |
| 4LDK・5DK~ | 90,000円〜 |
【部位別修繕費の目安】
| 内容 | 費用相場の例 |
|---|---|
| 壁紙張替え(6畳の部屋) | 45,000円 |
| 壁ボード張替え(小さな穴) | 30,000円~60,000円 |
| 床材張替え | 1畳あたり20,000円〜60,000円 |
| 浴室の水垢・カビ清掃 | 1回10,000円〜20,000円 |
| キッチン汚れ清掃 | 1回10,000円〜25,000円 |
【孤独死など特殊な場合】
| 区分 | 平均損害額 |
|---|---|
| 残置物処理費用 | 295,172円 |
| 原状回復費用 | 474,170円 |
| 家賃損失 | 317,085円 |
| 合計 | 1,086,427円 |
引用:日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第9回 孤独死現状レポート」(2024年12月)
引っ越しで高額請求されたら?その場でやるべき対処法

引っ越し時に不用品回収や清掃、修繕に関する請求が想定より高かった場合、慌てて支払いや合意をしてしまうと、後から減額交渉や取り消しが難しくなることがあります。
高額請求されたら大切なのは、事実と証拠を積み上げて冷静に対応することです。
①その場で同意しない、署名しない
②内訳のある書面見積もりを要求する
③証拠(写真・動画・やり取り履歴・見積書など)を確保
④消費者ホットライン(188)や警察などに相談する
①その場で同意しない、署名しない
まず最優先は、その場で契約や追加作業に同意しないことです。
口頭で「お願いします」と言ってしまったり、同意書や作業承諾書に署名してしまうと、後から納得して依頼したと扱われやすくなります。
とくに以下のような言葉で急かされる場合は注意が必要です。
- 今日決めないとこの価格ではできない
- 今すぐ作業しないと引っ越しに間に合わない
- キャンセルすると料金が発生する
いったん持ち帰り、比較や相談を挟む姿勢を徹底してください。
②内訳のある書面見積もりを要求する
高額請求かどうかを判断するには、合計金額だけでなく内訳が不可欠です。
口頭や大雑把な総額提示では、何が上乗せされたのかが分かりません。
必ず書面で、項目別の見積もりを出してもらいましょう。
見積書で最低限確認したい内訳例
- 不用品回収費(車両費、人件費、搬出条件)
- ハウスクリーニング費(作業範囲、追加作業の条件)
- 特殊清掃費(必要な工程、回数)
- 修繕費(どの箇所を、どの工法で、面積はいくつか)
- 追加料金の発生条件(階段作業、解体、分別、当日追加など)
内訳が出ない場合は、その時点で依頼を止め、別業者に見積もりを依頼した方が良いでしょう。
③証拠(写真・動画・やり取り履歴・見積書など)を確保
後から話が食い違うのを防ぐため、証拠を残すことが重要です。
高額請求されたら、次の資料をできるだけその場で確保してください。
証拠として残すもの
- 部屋全体と問題箇所の写真、動画
- 見積書、請求書、作業内容が書かれた書面
- メールやSMS、チャットのやり取り履歴
- 業者名、担当者名、日時、説明内容のメモ
特に修繕費や清掃費は、汚れや損傷の程度で金額が変わるため、作業前の状態を記録しておくと交渉材料になります。
④消費者ホットライン(188)や警察などに相談する
自分だけで判断できない場合は、公的な窓口に早めに相談してください。
消費者ホットライン(188)は、最寄りの消費生活センターなどにつながり、状況に応じた助言を受けられます。
また、脅し文句で支払いを迫られる、帰らせてもらえない、強引に契約させられるなど、身の危険や明確な威圧がある場合は、ためらわず警察に相談することも選択肢です。
相談時に伝えるとスムーズな情報
- 請求された金額と内訳の有無
- 契約書や同意書に署名したかどうか
- やり取りの証拠(写真、見積書、メッセージ)
- いつ、どこで、誰から、何を言われたか
この4ステップを押さえるだけでも、勢いで契約してしまうリスクを下げられます。
引っ越し時の高額請求を防ぐなら「不用品回収受付センター」へ!

この記事では、引っ越しで高額請求されてしまった場合の対処法や金額が上がりやすいポイントを解説しました。
引っ越し前に不用品回収をしておくことで原状回復費用を抑えられますが、不用品回収業者の選び方も重要です。
そこでおすすめなのが、全国の不用品回収業者を比較できる「不用品回収受付センター」です。
不用品回収受付センターを利用するメリット:
- 複数業者を一括で比較でき、相場から大きく外れた見積もりを避けやすい
- 不用品回収を先に済ませることで、ハウスクリーニングや修繕費の範囲を明確にできる
- 引っ越し日が迫っている場合でも、対応可能な業者を探しやすい
- ゴミ屋敷や遺品整理など、作業量が多いケースにも対応できる業者が見つかる
引っ越し直前は時間がなく、「このままお願いしてしまおう」と判断しがちです。
しかし、その判断が高額請求につながるケースは少なくありません。
不用品回収受付センターを使って事前に業者を比較し、部屋を空にしてから現状回復に進めば、見積もりの根拠が明確になり不要な上乗せを防ぎやすくなります。
ぜひご活用ください。














