引っ越し時の不用品回収では、「見積もりと違う高額請求をされた」「断れない状況で支払ってしまった」といったトラブルが後を絶ちません。
本記事では、国民生活センターなどが公表している実例をもとに、引っ越しでよくあるトラブルとその防ぎ方をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
・引っ越し時の不用品回収で実際に起きているトラブル事例
・高額請求につながりやすい見積もりの注意点
・トラブルを避けるために事前に確認すべきポイント
・万が一トラブルに遭った場合の具体的な対処法
・引っ越し時の不用品回収の費用相場
引っ越し時の不用品回収で実際にあったトラブル事例

引っ越しに伴う不用品回収では、見積もりと実際の請求額が大きく異なるなど、深刻なトラブルが発生しています。
ここでは、国民生活センターや東京都が公表している実際の相談事例を紹介し、どのような点が問題だったのかを整理します。
事例1:
作業終了後に高額な料金を請求されて支払い、「クーリング・オフはできない」と書かれた書面にサインをさせられた
事例2:郵便受けに入れられたチラシを見て依頼したら50万円を請求された
事例1:作業終了後に高額な料金を請求されて支払い、「クーリング・オフはできない」と書かれた書面にサインをさせられた
事例の内容
“引っ越しに伴い不用品を回収してもらうためにインターネットで事業者を探した。「軽トラッ
クパック7,000円、2トントラックパック2万5,000円」との広告を見て事業者に電話し、「広告のパック料金でお願いしたい」と申し込んだ。「実際に行ってみないとどちらのコースになるか分からない」と言われた。一人暮らしで不用品が少ないため、軽トラックパックになるものと考え、また2トントラックパックになったとしても料金は2万5,000円以上にならないと思っていた。ところが当日男性作業員3名が2トントラックで来訪し、不用品の積み込みが終わると、料金は25万円だと言われた。不動産業者の立ち合いの予定があり、早く部屋を出なければならないと焦っていたので、その場で親に電話をして送金してもらい支払った。その際、「クーリング・オフはできない」と記載された書面にサインをした。クーリング・オフできないのか。”
(2022年5月受付 20歳代 女性)
引用:独立行政法人国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル‐市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!‐ 」
このケースでは、広告や電話での説明と実際の請求額が大きく異なっています。
また、作業後に高額な請求をされ、断りにくい心理状態に追い込まれている点が大きな問題です。
さらに、「クーリング・オフはできない」と一方的に書かれた書面に署名させている点も、消費者に不利な対応といえます。
事例2:郵便受けに入れられたチラシを見て依頼したら50万円を請求された
事例の内容
“引越をするので不用品を回収してもらおうと、郵便受けにポスティングされていたチラシを見て回収業者に依頼した。家電製品と家具の処分の見積りを取ったところ、テレビとレコーダーは無料で引き取るが、残りは1立方メートル当たり約5万円の廃棄料で合計50万円と言われた。高額なので40万円に値引きしてもらい、アパート明渡しの当日に引き取ってもらって料金を支払ったが、あまりに高額だと思うので一部でも返金してほしい。”
(30歳代 男性)
引用:東京都「不用品の回収を依頼したら40万円を請求された!~不用品の回収・処分で高額な費用を請求する業者に注意!~」
このケースでは、チラシに具体的な料金の目安が記載されていなかったことが問題です。
また、「無料回収」を強調しつつ、その他の不用品に高額な処分費を設定している点も、誤解を招きやすい手法といえます。
引っ越し当日という事情もあり、その場で判断してしまったことが被害につながっています。
不用品回収において、買取による合算を除いて無料で回収されることはあり得ません。
無料をうたっている時点で、あとから高額請求してくる悪徳業者である可能性が非常に高いです。
引っ越しのトラブル事例によくある共通点は?

紹介した引っ越し時の不用品回収トラブル事例を整理すると、発生する原因にはいくつかの明確な共通点があります。
見積もり内容が曖昧なまま契約している
多くのトラブル事例では、「軽トラックパック」「定額プラン」などの言葉だけで依頼を決めており、具体的な回収量や料金の上限が明確にされていません。
引っ越しに伴う不用品回収は、家具や家電の量や大きさ、搬出のしやすさなどによって費用が大きく変わります。
にもかかわらず、事前に確定した見積もりを出さないまま作業当日を迎えてしまうことが、高額請求につながっています。
契約・見積もり内容が書面で残っていない
引っ越し時の不用品回収トラブルでは、契約内容や見積もりが口頭のみで進み、書面が残っていないケースが多いです。
この状態では、作業後に金額を変更されても、利用者側が事前説明と違うと主張することが難しくなります。
一方、優良な不用品回収業者であれば、回収品目ごとの内訳や作業内容を明記した詳細な見積書を事前に提示してくれます。
また、「どのような場合に追加料金が発生するのか」「追加費用がかかる可能性がある作業内容は何か」といった点も、見積もり段階であらかじめ説明されるのが一般的です。
見積書に料金の内訳や条件が明記されていれば、後から不明瞭な請求を受けるリスクを大きく減らせます。
当日や作業後に金額が変更されている
事前には安い金額を提示し、作業が終わった後に「量が多かった」「想定外の作業があった」などの理由で請求額を跳ね上げる手口も多く見られます。
引っ越し当日は時間に追われやすく、原状回復の立ち会いや鍵の返却なども重なるため、その場で冷静な判断ができず支払ってしまうケースが多いのです。
心理的に断りにくい状況を作られている
引っ越しに伴う不用品回収では、利用者が心理的に断りにくい状況に追い込まれやすい点も大きな共通点です。
特に引っ越し前の不用品回収は、退去日や立ち会い日時が迫っているケースが多く、「今日中に片付けなければならない」という焦りを抱えやすい状況にあります。
そのような状況下で、作業完了後に高額な請求を提示されると、「今さら断れない」「支払わないと部屋を明け渡せない」と感じ、その場で支払ってしまう人が少なくありません。
引っ越しゴミ回収業者の選び方や優良業者はこちら!
トラブルを避けるために見積もり時に確認すべきポイント

引っ越し時の不用品回収トラブルの多くは、見積もり段階での確認不足が原因です。
事前にいくつかのポイントを押さえておくだけで、高額請求や認識のズレを防げます。
ここでは、見積もり時に必ず確認しておきたい点を解説します。
見積もりは概算か確定か
まず確認すべきなのが、その見積もりが概算なのか確定なのかという点です。
電話や写真だけで出される見積もりは、あくまで目安であることが多く、当日に金額が大きく変わる可能性があります。
優良な業者は、「現地確認後に確定見積もりを出す」「この金額以上は請求しない」といった形で、見積もりの位置づけを明確に説明してくれます。
引っ越しに伴う不用品回収では、できる限り現地見積もりをお願いし、確定金額を出してもらうことがトラブル回避で最も重要です。
複数社から見積もりを取ったか
1社だけの見積もりで即決してしまうと、その金額が高いのか妥当なのか判断できません。
引っ越し時の不用品回収では、複数社から見積もりを取り、料金や説明内容を比較することが重要です。
とはいえ、引っ越し準備で忙しい中、1社ずつ問い合わせるのは手間がかかります。
そのような場合に便利なのが、複数の不用品回収業者に一括で見積もり依頼ができる「不用品回収受付センター」です。
引っ越し時の不用品回収に対応した複数の業者を比較でき、見積もり内容や対応の違い、口コミを確認したうえで依頼先を選べます。
追加料金が発生する条件
見積もり時には、どのような場合に追加料金が発生するのかを具体的に確認しましょう。
階段作業、エレベーターなしの搬出、大型家具の解体、当日の品目追加などは、追加費用の理由としてよく挙げられます。
優良な業者であれば、追加料金が発生する条件を事前に説明し、見積書にも明記してくれます。
積み放題・定額プランの範囲
「積み放題」「定額」「パック料金」といったプランは、適用範囲の確認が不可欠です。
どのサイズのトラックまで使えるのか、積める量の上限はどれくらいか、対象外の品目はあるのかを必ず確認しましょう。
悪徳業者はこれらの言葉を悪用し、当日に「思ったより量が多い」といって別プランに変更してしまうことがあります。
事前にプランの範囲を具体的に説明してもらうことが重要です。
キャンセル料の有無と条件
最後に、キャンセル料についても必ず確認しておきましょう。
「前日からキャンセル料が発生する」「当日キャンセルは全額負担」といった条件は業者ごとに異なります。
引っ越し日程は変更になることも多いため、キャンセル料の有無や発生タイミングを把握しておくことで、無駄な出費を防げます。
見積もり時にこれらの条件を説明しない業者には、注意が必要です。
引っ越しでトラブルに遭ったらこう対処しよう

引っ越し時の不用品回収でトラブルに遭ってしまった場合でも、落ち着いて行動すれば被害を最小限に抑えられます。
ここでは、実際にトラブルが起きた際に取るべき行動を整理します。
高額請求されたら全額をすぐに支払わない
見積もりと大きく異なる高額な請求を受けた場合、その場ですぐに全額を支払う必要はありません。
引っ越し当日は時間に追われがちですが、焦って支払ってしまうと、後から返金を求めるのは難しくなります。
納得できない金額を提示された場合は、「見積もりと違う」「説明を受けていない」とはっきり伝え、支払いを一旦保留にしましょう。
見積書・請求書・広告画面を証拠として残す
トラブルが発生した場合に重要なのが、証拠を残すことです。
見積書や請求書はもちろん、ホームページの料金表、チラシ、メールのやり取り、スマートフォンで表示した広告画面なども保存しておきましょう。
特に引っ越しに伴う不用品回収では、「定額」「安さ」を強調した広告が後から問題になるケースが多く見られます。
証拠がそろっていれば、消費者センターや第三者機関に相談する際の判断材料になります。
一人で判断せず消費者ホットラインや警察に相談する
「自分が悪かったのかもしれない」「もう支払ってしまったから仕方ない」と一人で抱え込む必要はありません。
不用品回収に関する引っ越しトラブルは、消費者センターにも多く寄せられており、専門の相談窓口があります。
まずは消費者ホットライン(188)に連絡し、状況を説明して指示を仰ぎましょう。
脅迫的な言動や強引な請求があった場合は、警察への相談も選択肢になります。
早い段階で第三者に相談することで、冷静な対応ができ、被害の拡大を防ぐことが可能です。
引っ越しで高額請求されたときの対処法について詳しくはこちら!
引っ越し時の不用品回収の費用相場は?

引っ越しに伴う不用品回収では、回収量が多くなりやすいため、トラック積載プランがよく利用されます。
ここでは、一般的な相場感と、費用を抑えるための工夫点を解説します。
よく使われるトラック積載プランの相場
トラック積載プランとは、一定サイズのトラックに積める範囲内で不用品をまとめて回収する料金体系です。
単品回収よりも、引っ越し時のように不用品が多いケースでは割安になりやすい特徴があります。
各地域の相場は以下のとおりです。(相場に地域差があるのはゴミの処分にかかる金額が違うためです。)
【首都圏の相場】
| トラック積載プラン | 目安の間取りとトラック | 料金相場 (平車、箱車などトラックによる) |
| Sプラン | 1R~1K・軽トラック | 15,000円〜20,000円 |
| Mプラン | 1DK~2DK・1.5tトラック | 30,000円~40,000円 |
| Lプラン | 2DK~2LDK・2tトラック | 50,000円~70,000円 |
| LLプラン | 3DK以上・4tトラック | 80,000円~要見積もり |
【東海地域の相場(愛知・三重・岐阜)】
| トラック積載プラン | 目安の間取りとトラック | 料金相場 (平車、箱車などトラックによる) |
| Sプラン | 1R~1DK・軽トラック | 1,3000~30,000円 |
| Mプラン | 1K~1LDK・1.5tトラック | 40,000~50,000円 |
| Lプラン | 1LDK~2LDK・2tトラック | 60,000~80,000円 |
| LLプラン | 3LDK以上・4tトラック | 80,000円~要見積もり |
【九州地域の相場(福岡・大分・熊本)】
| トラック積載プラン | 目安の間取りとトラック | 料金相場 (平車、箱車などトラックによる) |
| Sプラン | 1R~1K・軽トラック | 1,0000円~15,000円 |
| Mプラン | 1DK~2DK・1.5tトラック | 20,000円~35,000円 |
| Lプラン | 2DK~2LDK・2tトラック | 40,000円~80,000円 |
| LLプラン | 3DK以上・4tトラック | 80,000円~要見積もり |
実際の費用は、不用品の量や種類、搬出条件によって変動します。
見積もり時に、どのトラックサイズが想定されているかを必ず確認することが重要です。
料金をできるだけ抑えられる工夫点
引っ越し時の不用品回収費用は、少しの工夫で抑えられる場合があります。
- 不用品を事前に整理し、自治体の粗大ゴミ回収も活用する
- 複数社から見積もりを取り、相場を確認する
- 不用品の搬出経路を確保しやすいように整理する
- 追加料金が発生しやすい条件を事前に確認する
- 引っ越し日直前ではなく、余裕をもって依頼する
これらを意識することで、不要な追加費用や高額請求のリスクを下げられます。
相場を理解したうえで見積もりを比較することが、引っ越し時の不用品回収を安心して依頼するためのポイントです。
お住まいのエリアからピッタリの業者が見つかる
引っ越しでのトラブルを防ぐなら「不用品回収受付センター」へ!

ここまで見てきたとおり、引っ越し時の不用品回収トラブルの多くは、見積もりの不透明さや比較不足が原因で発生しています。
「料金が安いと思って依頼したら高額請求された」「当日になって条件を変えられた」といったケースは、決して珍しくありません。
こうしたトラブルを防ぐために活用したいのが、不用品回収受付センターです。
不用品回収受付センターでは、引っ越しに伴う不用品回収に対応した複数の業者を比較でき、見積もり内容や対応の違いを事前に確認できます。
また、複数社の見積もりを一括で確認できるため、相場から大きく外れた料金を見抜きやすい点も大きなメリットです。
見積もり時に不明点があれば、条件や追加料金の有無を比較しながら判断できるため、当日のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
引っ越し準備で忙しい中でも安心して不用品回収を依頼したい方は、まずは不用品回収受付センターで情報を整理し、納得できる業者を選ぶことをおすすめします。














