本記事では、引っ越し時の家電の処分方法・費用と、処分時の注意点について解説します。
家電の処分方法は、主に9種類あります。それぞれ特徴をまとめたので、「できるだけ安く抑えたい」「今日・明日来てほしい」など希望に合わせて選ぶことができるでしょう。
エアコンや洗濯機などの取り外しの注意点、処分のタイミングやおすすめの不用品回収業者も解説します。
引っ越しに伴い家電の処分を考えている方は参考にしてください。
引っ越し時の家電処分は家電リサイクル法に注意
引っ越し時に家電処分を行う際には、家電リサイクル法に注意が必要です。
家電リサイクル法とは
- エアコン
- テレビ
- 冷蔵庫
- 洗濯機(乾燥機)
といった家電4品目を適正に処分するための法律です。生産、流通、販売ルートでの回収が義務付けられています。
そのため、家電4品目を処分する際には、家電を製造するメーカー、家電を販売している小売業者などで消費者がリサイクル料金を支払って処分する必要があるのです。
引っ越しで処分したい家電に家電4品目が含まれる際には、粗大ゴミとして排出はできないので、注意しましょう。
小型家電なら無料回収ができる
小型家電の一例 | 携帯電話、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、デジタルカメラ 卓上計算機、電話機、電気カミソリ、ドライヤー リモコン、ACアダプター、カーナビ など |
引っ越しで処分する家電に小型家電が含まれる場合は、小型家電リサイクル法に従って処分することができます。
小型家電リサイクル法とは、スマートフォンや携帯ゲーム機などに含まれるレアメタルのリサイクルを目的とした法律で、対象となる小型家電であれば無料回収できるのです。
処分方法は以下のようなものが挙げられますが、回収する品目は自治体によって異なっています。処分時には地域の取り組みを確認しましょう。
- ボックス回収:公共施設等に設置された回収ボックスによる処分
- ステーション回収:ゴミ収集場所で資源回収して処分
引っ越し時の家電処分方法9選と費用相場
ここでは、引っ越し時の家電処分方法9選と費用相場を解説します。
なお、引っ越し時の家電に家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)が含まれる場合には、基本的に家電リサイクル料金(リサイクル料金+収集運搬費)が必要になるので、念頭に置いておきましょう。家電リサイクル料金は概ね以下の通りです。
対象家電製品 | 家電リサイクル料金 |
エアコン | 990円 |
テレビ(液晶・プラズマ式・15型以下) | 1,870円 |
テレビ(液晶・プラズマ式・16型以上) | 2,970円 |
冷蔵庫・冷凍庫(170L以下) | 3,740円 |
冷蔵庫・冷凍庫(171L以上) | 4,730円 |
洗濯機・衣類乾燥機 | 2,530円 |
※別途、収集運搬費が必要
引っ越し時の買い替えで家電処分
引っ越し時の買い替えで家電を処分する方法は、ポピュラーです。
新しい家電を購入した家電量販店で古い家電を引き取ってもらえるので、手間がかからないのが大きなメリットといえるでしょう。
なお、家電処分時には収集運搬費が必要で、料金は概ね以下の通りとなっています。
- 家電量販店:約650円~700円
- 地域小売店:約2,000円~2,600円
引っ越し時に家電の購入店で処分
引っ越し時に、過去の購入店で家電処分を行うこともできます。
特定の家電を処分する際にはメリットがありますが、購入した店舗を調べる必要があるのは、やや面倒な作業になるかもしれません。
なお、家電処分時の収集運搬費は以下の通りで、買い替え時よりも高めに設定されています。
- 家電量販店:約2,300円~2,500円
- 地域小売店:約2,500円~3,000円
引っ越し業者で家電処分
引っ越し業者に家電処分を依頼することも可能です。
引っ越しのタイミングで家電を処分でき、重い家電でも搬出を任せられるメリットがありますが、収集運搬費を含むと、家電リサイクル料金は高くなる傾向があります。
なお、引っ越し業者によっては、家電の買取にも対応可能です。
主な引っ越し業者の家電リサイクル料金
主な引っ越し業者の家電リサイクル料金は以下の通りです。
引っ越し業者 | 家電リサイクル料金(収集運搬費含む) | 買取の有無 |
サカイ引越センター | エアコン:3,990円~ テレビ:4,320円~5,970円 冷蔵庫:6,740円~7,730円 洗濯機・乾燥機:5,530円~ |
○ |
アーク引越センター | エアコン:5,900円~(取り外しは別途4,000円) テレビ:6,200円~ 冷蔵庫:13,000円~ 洗濯機・乾燥機:6,300円~ |
○ |
アリさんマークの引越社 | エアコン:7,000円~8,000円 テレビ:約6,000円 冷蔵庫:9,000円~10,000円 洗濯機:6,000円~7,000円 |
☓ |
日本通運 | 1点につき8,000~12,000円 ※サイズやその他作業発生時には追加料金あり |
☓ |
自治体の委託業者で家電処
各自治体の委託業者でも、引っ越し時の家電処分を行うことが可能です。
申込みは家電リサイクル受付センター(東京都の場合)で行っており、回収時に収集運搬費を含む家電リサイクル料金を支払います。
参考までに、東京都の家電リサイクル受付センターの収集運搬費をまとめました。
対象家電 | 収集運搬費 |
エアコン | 3,157円 |
テレビ(15型以下) | 2,618円 |
テレビ(16型以上) | 2,750円 |
冷蔵庫(170L以下) | 3,157円 |
冷蔵庫(171L以上) | 3,157円 |
洗濯機・衣類乾燥機 | 3,157円 |
指定集積所に搬入し家電処分
各自治体の指定集積所に自己搬入することでも、引っ越し時の家電を処分が可能です。
家電リサイクル料金は必要ですが、収集運搬費は必要ありませんので、お得に処分できるメリットがあります。
指定引取場所で家電を処分する手順は、以下の通りです。
- 郵便局で家電リサイクル券の購入
- 家電リサイクル券・家電一式を指定集積所に持ち込み、処分
ただし、重量がある家電は、取り外し・運搬に危険を伴うため、自己搬入には向きません。
特に、エアコンは室内機で8~20kg程度、室外機で30~60kgとかなりの重さがあります。また、冷媒ガスに触れることによる凍傷・やけど、誤った手順での作業による爆発や破裂といったリスクもあるため、業者に依頼して処分するほうが安全です。
オークションやフリマサイトで家電処分
ネットオークションやフリマサイトで家電を売却し、処分することも可能です。だれでも金額も指定して出品ができます。
一方で、出品できたからといって必ず売れるわけではなく、たとえ売れても商品の状態に認識違いがあったり支払いがされなかったり、買い手と揉めることも少なくありません。
また、梱包から発送まですべて自身で手配しなければならないため、手間とお金もかかります。特に大型家電は、配送費用が高いため、手元にほとんどお金が残らないことも考えられます。
自治体で粗大ゴミとして家電処分
引っ越し時に処分する家電の中に、家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機)が含まれないのであれば、自治体で粗大ゴミとして処分が可能です。
自治体で家電を粗大ゴミとして処分する方法は、以下の通りです。
- 粗大ごみ収集受付センターへ申し込み
- 「粗大ごみ処理手数料券」をコンビニやスーパー、郵便局などで購入
- 指定された日時・収集場所に排出して処分
回収には予約が必要な自治体が多く、引き取りに来てもらえるまで最低でも1週間ほどかかります。
また、1度に回収してもらえる個数制限がある自治体もあり、思うように処分してもらえない可能性があります。
リサイクルショップで家電処分
製造年式が5年以内の家電であれば、リサイクルショップで買取処分することも可能です。
買取での家電処分なので家電リサイクル料金が不要で、現金化できるメリットがあります。
ただし、リサイクルショップで値が付くのは人気メーカーで、使用感があまりないものに限られます。同じ家電でも、ノーブランドの製品は値が付きにくく、日本メーカーや海外の有名ブランドの新しい家電以外はまとまった金額にはならないでしょう。
不用品回収業者で家電処分
引っ越し時の家電処分は、不用品回収業者にも依頼できます。
家電の運び出しから処分まで任せることができ、依頼した日に即日で回収してもらえたり、深夜早朝の対応ができるのでとても便利です。もちろん、家電以外の粗大ゴミや衣類・本など他の不用品も処分が可能です。自治体では処分できない消火器や車・タイヤ・金庫なども処分できます。
ただし、単品での回収だと処分費は高くなる傾向がありますが、トラック積み放題プランという定額プランなら、お得に回収可能です。
トラック積み放題プランとは、トラックに積めるだけの不用品を定額で処分してもらえるプランのことです。不用品が多ければ多いほどお得になります。
軽トラックから4tトラックまで、家電など不用品の量に合わせて選ぶことができるため、家電や粗大ゴミなどの不用品をまとめて処分する際には検討してみることをおすすめします。(適切なトラックは業者が選定してくれます。)
相場は以下の通りです。
トラックのせ放題プラン | 目安の間取り | 料金相場 (平車・箱車などトラックによる) |
軽トラックのせ放題プラン | 1R~1K | 15,000円〜20,000円 |
1.5tトラックのせ放題プラン | 1DK~2DK | 30,000円~40,000円 |
2tトラックのせ放題プラン | 2DK~2LDK | 50,000円~70,000円 |
4tトラックのせ放題プラン | 3DK以上 | 80,000円~要見積もり |
※軽トラックが平ボディの場合、荷台に横向きに積むことになるため、箱型・幌付きタイプよりも積載量は少なくなります。
単品での家電回収料金相場は以下の通りです。
品目 | 回収料金相場 |
液晶テレビ | 2,000円~5,000円 |
冷蔵庫 | 3,000円~5,000円 |
洗濯機 | 3,000円~6,000円 |
不用品回収の「積み放題」プランについてもっと詳しく知りたい方はこちら!
関連記事
2023年2月21日
不用品回収の「積み放題」プランとは?サービス内容やトラブル回避のコツを解説
不用品回収のトラック積み放題プランのサービス内容や、料金帯、回収の仕組みなどを徹底解説します。トラブルにあわないためのポイントもお伝えしますので、参考にしてください。
不用品回収業者を安く利用する方法
不用品回収業者を安く利用するためにはまず相場を知ることです。そのうえで、相見積もりを取ることで安く利用することができます。
相見積もりとは、いくつかの業者に見積もりを依頼し、価格競争を起こさせることで安くする手法です。
複数見積もりを取るだけで、最も低価格で依頼できる業者が分かるだけでなく、相場以上の請求をする業者を除外することもできます。
また、見積もりを出張見積もりで行えば、より正確な費用を把握できるだけでなく、スタッフの対応で業者を選定することも可能です。
見積もりを複数手に入れたら、低価格な業者に依頼しても良いですが、気に入った業者に最低価格を教えることで値下げに応じてくれることもあります。これが「価格競争」です。
注意点は、他社と比較しやすいよう、作業範囲や家電の数、回収時間帯など同条件で見積もりを取るようにすることと、業者の公式サイトから見積もりを依頼することです。
見積もりを複数一気に取得できるサイトを利用すれば簡単ではあるものの、中間マージンが発生してより価格が高くなる傾向にありますので注意をしてください。
その他「公式サイト限定クーポン券割引」「リピート割」など、業者がそれぞれ設けている割引を利用すれば通常よりも安い金額で依頼できることもあります。
こうした各種割引は公式サイト限定の場合が多いため、必ず公式サイトから見積もりを依頼してください。
不用品回収の見積もりのコツを知りたい方はこちら!
関連記事
2023年9月24日
不用品回収の見積もりのコツは?廃品処分で損をしないための方法
不用品回収や廃品処分で損することなく業者を利用するための、見積もり依頼時のコツやポイントを解説しています。
引っ越し時のどのタイミングで家電処分するのが良い?
家電処分は、引っ越し時の買い替えのタイミングで行うと、引っ越し直前まで家電を使用できるので便利です。
引っ越し当日に新居まで直接配送してもらえば、古い家電と入れ替えで処分できるので、有効な方法といえます。
しかし、テレビなどの家電の場合は問題ありませんが、冷蔵庫や洗濯機の場合は、処分時に中身を空にしておいたり、水抜きを行ったりしなければならないので、あまり現実的とはいえません。
そのため、引っ越し時に家電処分を行う際には、引っ越しの1ヶ月前にどの方法で処分するか計画をたて、1週間~3日で処分の準備を行うと良いでしょう。
引っ越し時の家電処分の注意点
引っ越し時の家電処分は、処分する品目によって事前準備が必要になります。
ここでは、引っ越し時の家電処分の注意点に関して解説します。
冷蔵庫の処分時の注意点
冷蔵庫を処分する際には、水抜きと霜取りを行う必要があります。
1週間前から徐々に冷蔵庫・冷凍庫の中身を空にするようにし、少なくとも処分日の2日前に電源を切り、霜取りを行いましょう。
霜取りは冷蔵庫の扉を開け、およそ15時間放置すれば完了します。床が水浸しになる可能性もあるので、タオルを敷いておくと安心です。
霜取り完了後は水抜きを行います。冷蔵庫の蒸発皿の水を抜くので、蒸発皿の位置を確認しておきましょう。
蒸発皿の位置はメーカーによって異なるので、取扱説明書に従って水抜きを行うと確実です。
洗濯機を処分する際の注意点
洗濯機を処分する際には、水抜きを行いましょう。
給水ホースおよび排水ホースの水抜きを行っておかないと、引っ越しの際に床や荷物が水浸しになってしまうからです。
給水ホースの水抜きの方法は以下の通りです。
- 給水栓を閉める
- 洗濯機の電源を入れ、スタートボタンを押す
- 30分程度待って電源を切る
- 給水ホースを外し、水を抜く
続いて排水ホースの水抜き方法です。
- 洗濯機の電源を入れ、脱水コースを選びスタート
- 排水ホースを抜き、水を抜く
なお、洗濯機を撤去する際には、排水エルボーに注意が必要です。排水エルボーは洗濯機の付属品ではなく、物件の備品なので、返却を求められることがあります。
エアコンの処分時の注意点
エアコンは自分で取り外すのは危険なので、業者に依頼するのがおすすめです。
特に、室外機を取り外す際に手順を誤ると、室外機内に空気が入り込み、爆発・破裂が起こる危険があります。取り外しには専門的知識と技術が必要です。
さらに、知識がない人が作業すると使用時に不具合が起きやすい傾向があり、トラブル防止の観点から、自分で取り外したエアコンの設置依頼は断っている業者が多いようです。
自分で取り外すと設置も自分で行うことになってしまい、怪我や故障のリスクも上がってしまいます。
そのほか、落下による怪我や冷媒ガスによる凍傷・やけども起こり得ます。自分で取り外すリスクを考えると、業者に依頼したほうが負担は少なく、安全でしょう。
引っ越し時の家電処分でお困りの方は
引っ越し時の家電処分方法について解説しました。
引っ越し時の家電処分方法はさまざまあるので、状況によって自分に最適な家電処分方法を選ぶことが重要です。
また、家電処分時の注意点や買取査定を高くするコツを押さえておくと、よりスムーズに引っ越し時の家電処分を行えます。
『不用品回収受付センター』では、引っ越し時の家電処分にも対応してくれる、優良な不用品回収業者を多数紹介しています。
家電だけではなく幅広い不用品の回収が行えるので、不用品処分にお困りの方はぜひご利用ください。軽トラック~4tトラック載せ放題プランもあるため、家電などの不用品や粗大ゴミが多い場合でも安心です。そのほか、即日回収や深夜早朝の対応、時間指定も可能なので引っ越し以外にも活用できます。