この記事では、遺品整理で高額請求されてしまった時の対処法や実際のトラブル事例、悪徳業者の見分け方などをわかりやすくまとめました。
安心して遺品整理を進めるために、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
・遺品整理の正しい料金相場と、費用が高くなる理由
・実際に起きた高額請求トラブルの具体例
・悪質な業者の特徴と、被害を受けたときの対処法
・高額請求を防ぐためのポイント
遺品整理の費用はなぜ高額になる?まずは正しい相場を知ろう

遺品整理の費用は、間取りや荷物の量、作業の難しさによって大きく変わります。
一般家庭でも10万円ほどで収まるケースがある一方、状況によっては100万円近くまで上がることも珍しくありません。
まずは相場や高額になる状況を知ることで、見積もりが適正なのか、価格をつり上げられているのか判断しやすくなります。
一般的な遺品整理の費用相場
遺品整理は、部屋数や荷物量が多いほど人手や時間が必要になります。
以下は、一般的な料金の目安です。
【マンション・アパートの目安】
| 1R・1K程度 | 約4万円~20万円 |
| 1DK・1LDK程度 | 約6万円~30万円 |
| 2DK・2LDK程度 | 約10万円~40万円 |
| 3DK・3LDK程度 | 約15万円~60万円 |
| 4LDK以上 | 約20万円~80万円 |
【一軒家の目安】
| 1LDK~2DK程度 | 約8万円~30万円 |
| 2LDK~3DK程度 | 約12万円~50万円 |
| 3LDK~4DK程度 | 約18万円~70万円 |
| 4LDK以上 | 約25万円~85万円 ※状況次第で100万円以上 |
同じ間取りでも、荷物の量が多く仕分けが煩雑になる場合や搬出経路が難しい場合に費用が上がりやすいです。
また、庭・物置・倉庫の片付けが含まれると、さらに料金がプラスされることもあります。
特殊清掃・消臭・供養など追加費用で跳ね上がるケース
遺品整理の費用が大きくふくらむ理由のひとつが、特殊清掃や消臭作業、供養などの追加作業が必要になるケースです。
これらは専門的な技術や専用の道具が必要なため、どうしても料金が高くなります。
特殊清掃とは、一般の掃除では対応できない状況を専門スタッフが整える作業です。
例えば、次のような場合に行われます。
- 孤独死・病気で亡くなった後に時間が経ってしまった場合
- 強いニオイが部屋全体に広がっている場合
- 害虫が大量発生している場合
- ゴミが腐敗して汚れが床に染みついている場合
- 建具に汚れや臭いが付着している場合
また、遺品整理では、以下のような品物の取り扱いに困ることがあります。
- 仏壇・仏具
- 写真
- 人形
- 神棚
- 故人が大切にしていた品物
これらは「そのまま捨てるのは気が引ける」という家族も多く、僧侶による読経や供養を依頼することがあります。
供養は気持ちの区切りにもなりますが、追加費用として数千円〜数万円がかかります。
100万円請求が発生しやすい状況とは?
「100万円なんて高すぎるのでは?」と思うかもしれませんが、条件によっては正当な金額となることもあります。
特に以下のようなケースが当てはまると、費用が跳ね上がりやすい傾向があります。
・荷物量が極端に多い(ゴミ屋敷化した一軒家など)
→仕分けや袋詰めに時間がかかり、スタッフの人数も増える
・特殊清掃が必要な状態
→孤独死などが発生した場合、消臭作業や床材の交換が必要
・大型家具や家電の搬出がむずかしい家
→階段が狭い、エレベーターなし、窓からの吊り下げ作業が必要といった状況
・建物の前にトラックを停められない
→往復の手間が増え、作業時間が大きく伸びる
・5LDK以上の広い住宅や、庭・倉庫にも荷物が多い家
→家の中だけでなく外回りまで作業が広がる
このような状況では、作業人数や作業日数が多く必要になり、トラックの台数も増えるため、結果として100万円に達することもあります。
つまり、高額であってもすべてが不当請求とは限らない点を理解しておくことが大切です。
遺品整理の費用について詳しくはこちら!
遺品整理で実際にあった高額請求トラブル事例

遺品整理の相談は年々増えており、国民生活センターにも多くのトラブルが寄せられています。
ここでは、実際に起きたケースをもとに、どんな問題が起こりやすいのかを紹介します。
・説明もなくキャンセル料17万円を請求された
・作業時に見積金額の2倍を請求された
・見積もりで急かされて契約したが作業が始まらない
説明もなくキャンセル料17万円を請求された
事例概要
母親が亡くなり、便利屋に遺品整理を依頼したところ、3日間で37万円という見積もりが提示され、そのまま契約した。しかし、その後20万円で作業してくれる別の業者が見つかり、依頼を取り消そうとしたところ、説明がなかったにもかかわらず17万円のキャンセル料を請求された。
参照:独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル ‐料金や作業内容に関するトラブルが発生しています‐」
【トラブルの特徴】
- キャンセル料について 事前説明がないまま請求している
- 契約の条件が曖昧で、書面でも確認できない
- 「契約後に高額の費用を追加してくる」典型的なトラブル
このようなケースでは、説明のないキャンセル料は不当と判断されることが多く、契約内容をきちんと書面で確認することが重要です。
作業時に見積金額の2倍を請求された
事例概要
母親の遺品整理のため141,000円で契約したが、作業当日に「処分にお金が必要」と説明され、その都度現金4万円を支払うよう求められた。トラックの往復ごとに追加請求され、最終的に 見積もりの約2倍となる32万円を請求された。見積書には追加費用について記載がなく、契約書も交わしていなかった。
参照:独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル ‐料金や作業内容に関するトラブルが発生しています‐」
【トラブルの特徴】
- 現地で追加費用を要求してくる手口
- 「処分する荷物が多い」などあいまいな理由で請求が増える
- 作業前に金額が確定していない
- 契約書や書面を残していないため、証拠が残らない
このような業者は「積み終わった分だけ追加料金を要求する」ことが多く、現金での支払いを求めるのも特徴です。
見積もり時点で追加費用が発生する条件を確認し、書面に残しておくことが大切です。
見積もりで急かされて契約したが作業が始まらない
事例概要
兄の遺品整理の見積もりに来た業者から「今日決めてくれれば安くなる」「早く決めた方が早く作業できる」と急かされ、その場で324,000円の契約をしてしまった。手持ちの24,000円を支払ったが、約束の作業日は守られず、連絡しても「まだ日程が決まっていない」としか言われない。見積書には「今月末までに作業」「作業日の2日前までのキャンセルで違約金10%」と書かれていたが、説明はなかった。
参照:独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル ‐料金や作業内容に関するトラブルが発生しています‐」
【トラブルの特徴】
- 「今日決めれば安くなる」など、契約を急がせる手法
- 約束した日程を守らない
- キャンセル規定の説明が不足している
このようなケースでは、口約束だけで契約を進めるとトラブルにつながりやすく、強引なセールスは悪質業者の典型的なサインといえます。
遺品整理のトラブル事例について詳しい解説はこちら!
遺品整理で高額請求を受けてしまったときの対処法

「見積もり以上の金額を請求された」「追加料金を急に求められた」など、遺品整理のトラブルは誰にでも起こりえます。
もし不当な請求を受けてしまったときは、慌てずに次の方法で対処することが大切です。
クーリングオフ制度を利用する
訪問して契約した遺品整理サービスは、特定商取引法の対象となり、8日以内なら契約を解除できる可能性があります。
「もうお金を払ってしまった」「作業が始まらない」などの場合でも、条件を満たしていれば取り消せます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる契約 | 訪問販売・電話勧誘での契約 (遺品整理は該当しやすい) |
| 期間 | 書面を受け取った日から8日以内 |
| 費用 | 無料で契約解除可能 |
「今日決めれば安くなる」「今すぐ契約してほしい」などと急かされた場合、クーリングオフが有効になることがあります。
国民生活センター・消費生活センターに相談する
高額請求や強引な契約があった場合は、一人で抱え込まず専門機関に相談してください。
第三者が間に入ることで、対応が大きく変わることもあります。
| 相談先 | できること |
|---|---|
| 国民生活センター(188) | トラブル内容の整理、業者とのやり取りのアドバイス、解決に向けた交渉支援 |
| 消費生活センター(地域の窓口) | 具体的な対応策の相談、クーリングオフ手続きの案内 |
| 警察(必要な場合) | 脅迫まがいの請求・居座り行為などの保護を依頼できる |
「一度お金を払ったからもう無理かも…」と思っても、相談すれば返金や契約解除につながるケースもあります。
見積書・名刺・作業前後の写真を証拠として残す
トラブル対策で最も重要なのは、証拠をしっかり残すこと です。
証拠がなければ言い分を通すことが難しくなるため、次のものを必ず保管しておきましょう。
| 証拠 | 重要な理由 |
|---|---|
| 見積書の控え | 見積もり時に提示された金額と作業内容を証明できる |
| 担当者の名刺 | 業者の連絡先や会社名を把握できる。悪質業者は名刺を出さないことが多いため要注意 |
| 契約書 | キャンセル料や作業条件の根拠になる |
| 作業前の写真 | 「荷物が多い」「作業が増えた」と言われたときの反証になる |
| 作業後の写真 | 実際に作業が行われたかどうかの証明になる |
| 当日のメモ | 会話内容・追加請求の理由などを後で振り返る際に役立つ |
これらの証拠がそろっていると、クーリングオフ、相談機関での説明、不当請求の反証に非常に効果があります。
悪質な遺品整理業者の特徴とは?

遺品整理のトラブルは、悪質な業者と出会ってしまったことが原因のひとつです。
ここでは、実際の相談件数から見えてきた注意すべき特徴を紹介します。
名刺を出さず、担当者の情報が曖昧
信頼できる業者は、最初の挨拶で担当者名や会社名をしっかり明かしてくれます。
一方、悪質な業者は次のような対応をすることが多いです。
- 名刺を出さない
- 名前を名乗らない
- 会社の住所や電話番号をはっきり言わない
担当者の情報が曖昧だと、トラブルになったときに連絡がつかなくなる可能性があります。
見積もりが不明確で、口頭でしか金額を言わない
悪質業者がよく使うのが、「見積もりを口頭だけで説明する」という手口 です。
書面を残さないことで、後から金額を上乗せしやすくなります。
例えば、
- 「あとから追加料金が出るかもしれない」とぼかす
- 「とりあえずこのくらいです」と曖昧な言い方をする
- 見積書を出さず、金額を急に変更する
というパターンが多く見られます。
料金を明確に示さない業者は、後から高額請求につながる危険が高いです。
相場より極端に安い金額を提示してくる
最初の見積もりが極端に安い業者も注意が必要です。
「他社より安い=良い業者」とは限らず、以下のようなトラブルになりやすいです。
- 作業当日に 追加料金を大量に上乗せする
- 「引き取りできない物がある」と急に言い出す
- 事前説明なしに高額の処分費を求める
安さをエサに契約させ、その後に料金を増やす手法は悪質業者の典型です。
相場を理解しておくことで、こうした罠を避けられます。
契約前に急かす・断ろうとすると態度が急変する
急かす行為も、悪徳業者の大きな特徴です。
- 「今日決めれば安くなる」
- 「今すぐ契約しないと作業できない」
- 「他の人に取られてしまう」
など、強引な言い方で契約を急がせます。
さらに、断ろうとすると態度が変わり、
- 声が荒くなる
- 「キャンセル料がかかる」と脅す
- 帰ろうとしない
といったトラブルにつながるケースもあります。
安全な業者は、利用者のペースに合わせて説明し、強引に契約を迫ることはありません。
遺品整理で高額請求を防ぐための5つのポイント

高額請求のトラブルは、事前の確認だけでかなり防げます。
ここでは、遺品整理を安心して依頼するために必ず押さえておくべき5つのポイントを紹介します。
・必ず現地見積もりを受ける(電話見積もりだけは危険)
・複数の業者に見積もりを取る
・作業前に「追加料金の有無」を書面で確認する
・担当者の名刺・会社情報を必ず確認する
・遺品整理士などの専門資格を持つスタッフがいるか確認
必ず現地見積もりを受ける(電話見積もりだけは危険)
電話やメールの見積もりは、あくまで「おおよその金額」です。
実際に現場を見ないと、
- 荷物の量
- 搬出の難しさ
- 家具のサイズや構造
などが正しくわかりません。
悪質な業者は、電話で安い金額を伝えておき、当日に「話と違う」と言って高額請求する手口を使うことがあります。
そのため、現地で見積もりを行い、金額と作業内容を書面でもらうことを徹底しましょう。
お住まいのエリアからピッタリの業者が見つかる
複数の業者に見積もりを取る
1社だけの見積もりだと、その金額が適正か判断できません。
3社ほど比べると、自然と相場が見えてきます。
比較するときは、
- 金額の違い
- 担当者の説明の丁寧さ
- 作業内容の明確さ
などを見ると、信頼できる業者が分かりやすくなります。
複数の業者に1件ずつ連絡をするのは手間がかかりますが、「不用品回収受付センター」なら一括で簡単に見積もり比較ができます。
- 全国から厳選した優良業者だけを掲載
- 条件を入力するだけで複数社にまとめて見積もり依頼
- 料金や対応の違いがすぐに比較できる
- 口コミ評価も確認できる
といった特徴があり、無料で利用できますのでぜひご活用ください。
作業前に「追加料金の有無」を書面で確認する
遺品整理で多いトラブルが、「当日になって急に追加料金を請求された」というものです。
これを防ぐには、次の項目を見積書に書いてもらいましょう。
- 追加料金の発生条件
- 上限金額の有無
- 作業に含まれる内容(仕分け・運搬・処分など)
口頭ではなく、紙に書いてもらうことが重要です。
書面があれば、後から説明と違う金額を提示されても、はっきり反論できます。
担当者の名刺・会社情報を必ず確認する
悪質業者の特徴として、
- 名刺を出さない
- 会社名や住所をあいまいにする
- 連絡先をはっきり教えない
といった行動があります。
名刺があれば、会社の情報や担当者の名前が確認でき、トラブル時の連絡にも役立ちます。
遺品整理士などの専門資格を持つスタッフがいるか確認
遺品整理は、ただ物を片付けるだけではなく、故人の思い出や大切な品物を扱う仕事です。
そのため、専門的な知識を持つスタッフがいる業者は、作業が丁寧でトラブルも少ない傾向があります。
代表的な資格として遺品整理士があります。
この資格を持つスタッフが在籍していれば、以下のような面で安心感があります。
- 仕分けや搬出の手順が正確
- 利用者の気持ちに寄り添った対応ができる
- 料金トラブルが起きにくい
資格者の有無はホームページで確認できますし、見積もりのときに直接聞いても問題ありません。
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この記事では、遺品整理が高額になる理由や実際に起きたトラブル事例を紹介し、不当な請求を避けるために知っておきたいポイントをまとめました。
相場を理解しておくことや、見積もり内容を丁寧に確認する姿勢がとても重要であり、書面や契約書をしっかり受け取るだけでもトラブルの多くは防げます。
また、信頼できる業者を最初に選ぶことで不安は大きく減り、遺品整理を安心して進める基盤が整います。
優良業者を効率よく探したいときは、「不用品回収受付センター」がおすすめです。
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