ゴミ屋敷の清掃業者の選び方をご紹介します。
ゴミ屋敷は、大変厄介なものです。住まいの中は足の踏み場もなく、場合によっては外にもゴミが積み上げられている場合もあります。また貯まったゴミは、悪臭や害虫の発生、さらには火災の原因ともなり、近隣の迷惑となります。
一方で、住人自身はゴミと思っていない場合が多いです。本人が掃除をしないため、家族が掃除の依頼をする場合も少なくありません。
ゴミ屋敷の清掃は作業量が多くなるため、料金も高額となりがちです。また清掃を依頼する方は、一度の依頼できちんと片づけたいという要望もあります。このため、しっかり対応する清掃業者を選び、依頼する必要があります。
この記事では、ゴミ屋敷ならではの特徴と清掃業者を選ぶポイントについて、解説していきます。
ゴミ屋敷の特徴
ゴミ屋敷は、単に「物が貯まっていて乱雑な部屋」という状態とは異なる特徴を持っています。
ここでは、2013年に大阪市が実施した「いわゆる「ごみ屋敷」アンケート集計結果」を中心に、ゴミ屋敷の特徴を取り上げていきます。
親族や周囲の人が「なんとか片付けたい」と思う
ゴミ屋敷の清掃依頼には、普通の「部屋の片づけ依頼」と異なる点があります。
大きな相違点は本人が依頼するのではなく、家族など周囲の人が清掃を依頼するケースが多いという点です。
本人は清掃が必要と思っていなくても、他の人から見ると異臭や害虫の発生が目立つため、生活に支障をきたす事態になっている場合も少なくありません。
このことから、周囲の人が「なんとか片付けたい」という思いで清掃業者に依頼することとなります。
住人はひとり暮らしの高齢者や、何らかの障がいを持つケースが多い
大阪市が実施した「いわゆる「ごみ屋敷」アンケート集計結果」によると、ゴミ屋敷の住人には、以下の特徴を持つ人の割合が多いという結果が出ています。
- 全体の約3分の2は、60代以上
- ひとり暮らしの方の割合が全体の78%を占める
- 全体の約3分の1の方には、何らかの障がいがある
家族がいれば足の踏み場がなくなる前に掃除させられることが多いですが、ひとり暮らしでは注意してくれる人がいません。また高齢になると体も動きにくくなります。
ひとり暮らしの高齢者は家族がいる人に比べて、ゴミを溜め始めた場合、そのままゴミ屋敷になってしまう可能性が高いといえます。
ゴミ屋敷内部にあるゴミの種類
ゴミ屋敷の内部にたまったゴミの種類には、以下のものが多くなっています
- 資源ゴミ(缶、びん、古紙など)
- 生活ゴミ(弁当がら、インスタント食品、ティッシュペーパーなど)
- 日用品
家の内部にあるゴミは整理されることなくうず高く積まれているため、害虫のえさとなり、大量に増殖する原因ともなります。
また積み上げられたゴミは、悪臭や火災の原因ともなり、自宅だけでなく周辺の環境を悪化させることにつながります。
本人はゴミとは思っていない
ゴミ屋敷が一般的な部屋の片づけ依頼と異なる大きな点の1つに、住んでいる本人はゴミを溜めているとは思っていない点があげられます。
また「もったいない」という気持ちから、ゴミとして捨てられているものを自宅に持ち込む場合もあります。
このことから、本人はゴミを溜めていることについて「他人に迷惑をかけているはずはない。まだ使えるものを持ち帰っているのだから、むしろほめられるべき行動である」と考えている場合もあります。
特に古紙や缶、びんなどの資源ゴミは換金も可能であるため、「これはゴミではなく財産である」と主張されると、公的機関であってもうかつに処分しにくいことが現実です。
庭や公道など、屋外にもゴミが山積みの場合も
ゴミ屋敷のなかには自宅内に納まりきれない物が、屋外に積み上げられているケースもあります。
また庭やベランダだけでなく、自宅に隣接した公道にもゴミが積み上げられる場合もあり、市民の通行の妨げとなります。
近年ではこのようなゴミ処理に対して、行政が強制的に撤去するケースも出ています。
清掃業者を選ぶポイント
部屋の整理を請け負う清掃業者はたくさんあります。
しかしゴミ屋敷の清掃業者を選ぶためには、ここまで説明した「ゴミ屋敷の特徴」を踏まえて、適切に掃除をしてくれる業者を選ぶことが必要です。
大量のゴミを迅速に分別廃棄することは必須
ゴミ屋敷では、自宅に大量のゴミが積み上げられています。まるでゴミの上で生活しているようにも見えます。
自宅を住める状態にするためには、大量のゴミを迅速に分別し、その日のうちに持ち出すことは必須です。ゴミの分別をするだけの業者に頼むことは避けることが賢明です。
また持ち出したゴミは、法令に従って適正に処分する必要があります。搬出後は、速やかに処分場へ持ち込む業者に依頼することをおすすめします。
無許可営業の業者に依頼すると、せっかく搬出したゴミを不法投棄されるおそれがあります。ゴミの処分は、一般廃棄物の収集運搬許可を得ている業者に依頼することが大切です。
部屋のクリーニングや害虫駆除までできると安心
ゴミ屋敷では、部屋そのものも汚れている場合が多いです。また積み上げられたゴミの影響による臭いや害虫の処理も必要です。
住める部屋にするためにはゴミの搬出に加えて、部屋の掃除が不可欠です。ハウスクリーニングや害虫駆除もできると安心です。
再びゴミ屋敷にしないための指導をする
ゴミ屋敷になってしまったことには、相応の理由があります。ただ片付けただけでは、すぐに自宅がゴミ屋敷に戻ってしまいますから、生活習慣も変えなければなりません。
ゴミ屋敷になった都度、清掃業者に依頼して掃除してもらったのでは、継続的に多額の費用がかかります。今後の生活を快適にするためにも、自宅をゴミ屋敷にしないための指導も行う業者に依頼すると、よい結果につながります。
遺品整理を伴う場合
遺品整理の一環としてゴミ屋敷の清掃を行う場合は、住人が亡くなっているわけですから、再びゴミ屋敷に戻るおそれはありません。
その一方で住人が亡くなっていることは、自宅の中の遺品が必要なものなのかどうか、より注意深く判定することが求められることを意味します。
遺品を片っ端からゴミとして処分されたのでは、故人の思い出が失われてしまいます。遺品整理を伴うゴミ屋敷清掃では、迅速なゴミ処理に加えて、遺品を大切に取り扱う業者に依頼することが必要です。
急いでいても、見積もりは依頼しよう
ゴミ屋敷は、近隣からのクレームになっているケースも少なくありません。このため、一刻も早く清掃して欲しいという方も多いです。
しかし、ゴミ屋敷の清掃料金は高額になりがちです。どんなに急いでいても見積もりの内容を確認することは必須です。きちんと清掃してもらうためにも、見積もりと清掃内容を必ず確認し、納得してから作業を依頼することが大切です。
ゴミ屋敷の清掃は、業者の能力差が明確に現れる
ゴミ屋敷の清掃は、作業ボリュームが大きくなる仕事です。業者の能力差が明確に現れる仕事ともいえます。
清掃業者によっては、ゴミ処理はしたものの清掃が甘く、床に汚れが残った状態のままで作業を終えてしまう場合もあります。
ゴミ屋敷の清掃の目的は、きれいで住みやすい部屋に戻すことです。このことを理解して作業に臨む清掃業者に依頼することが大切です。
料金よりも「きちんと仕事をしてくれるか」を基準に依頼を
ゴミ屋敷の清掃を依頼する上で、料金の安さは重要な項目の1つです。しかしいくら安くても部屋がきれいにならなくては、目的を達成することができません。
業者に依頼する前には作業の説明を受けた上で、詳細な作業項目を記載した見積書を発行してもらうことが必要です。
見積書の内容を確認して、部屋をきれいにするために必要な作業項目が含まれているか、必ず確認をしてください。不明な点は業者に質問して、納得してから依頼することが大切です。
ゴミ屋敷の清掃は、確かな業者を選んで依頼しよう
ゴミ屋敷の清掃は、作業量も金額も多くなりがちです。一度の依頼できれいな部屋にするためには、慎重な業者選びが欠かせません。
また近隣から苦情が上がる前に、早めに対処することも必要です。
清掃業者を選ぶ際には、以下のポイントに注意することが大切です。
- ゴミを整理するだけでなく、責任をもって廃棄する業者であること
- 単にゴミを片づけるだけでなく、快適に住める状態になるまで責任を持って清掃を行う業者であること
- 見積もりで提示された作業項目や金額が明確であること(追加料金がかからないことが望ましい)
上記に加えて、再びゴミ屋敷にしないための指導を行う業者であれば、より良い結果が期待できます。
ゴミ屋敷の清掃を依頼する際には、きちんと作業を行ってくれる確かな業者に依頼することが大切です。