遺品整理の利用法。内容と料金・依頼時のポイント
~遺品整理業者のサービス内容と上手に活用するポイント~
故人の葬儀をあげた後、避けて通れないことの一つに遺品整理があります。
もちろん時間があれば、家族だけで遺品整理を行うことも可能です。しかし時間が無かったり遺品が大量にある場合などは、遺品整理業者を利用すると適切かつ迅速に遺品整理を行うことができます。
また遺品整理業者は遺品整理だけでなく、関連するさまざまなサービスも実施しています。
ここでは遺品整理を業者に依頼しようと思っている方に対して、サービス内容や料金、上手に活用するためのポイントを解説します。
遺品整理業者が実施する遺品整理の内容
遺品整理業者は遺品の仕分けをすることが最も重要なサービスですが、その他にもさまざまなサービスを提供しています。
その主なものについて、順に説明していきましょう。
基本的なサービスは、遺品の整理と不用品の処分
遺品整理の目的は、以下の点があげられます。
- 重要な書類の有無をチェック(権利書や財産・負債を証明する書類など)
- 換金可能なものの有無をチェックする
- 残しておくものと不要なものを仕分けする
この目的を達成するために、遺品整理業者は数名のチームを組んで、故人宅の遺品をくまなく仕分けするサービスを提供しています。
仕分け後、残しておきたいものは遺族に渡され、不用品は処分してくれます。仕分け後は掃除もしてくれますので、部屋もきれいになります。
なお遺品整理は、供養の一環でもあります。そのため遺品整理業者によっては、思い出の品の供養や、故人宅の供養を行うサービスも提供しています。
パソコンやスマートフォンの情報を取り出すサービスもある
近年ではIT化の進展により、パソコンやスマートフォン等のデジタル機器をお持ちの方も多くなっています。またYahoo!メールやGmailなどのWebメールサービスや、SNSなどを利用されている方も多いでしょう。
これらにはパスワードが設定されていることが多く、他人が容易に見ることができません。
遺品整理業者の中にはデータ取り出しサービスに対応している場合があります。このような業者に依頼することで、パソコンやスマートフォン等のデータを取り出し、遺族に提供してくれます。
業者によっては、部屋の防臭やリフォームにも対応
高齢者に限らず、一人暮らしの方は増えてきています。その中で孤独死も増えてきていることが現実です。孤独死になると悪臭や有害昆虫などが出てきますから、遺品整理だけでなく清掃や防臭なども必要となります。
多くの遺品整理業者ではオプションメニューとして、専用の特殊清掃サービスを実施しています。専用の薬剤や機材により消毒や消臭、殺虫を行い、原状復帰します。
体液が畳や木材に浸透した場合は張り替えが必要になる場合もありますが、この対応も行っている業者もあります。
遺品整理の料金
遺品整理の料金は一応の目安がありますが、実際には故人宅を訪問し、現場を見なければわからないことが実情です。それは遺品の量や依頼する作業内容、換金可能な遺品の有無によって異なるためです。
それぞれについて、詳しい内容を説明していきましょう。
料金は部屋の状態や、遺品整理業者によりさまざま
遺品整理の料金は、業者によりさまざまです。また部屋の状態によっても異なります。
6畳の部屋一つをとってみても、荷物がほとんどない部屋と、足の踏み場もないほど物にあふれている場合とでは料金も異なります。
各遺品整理業者のWebサイトには、広さや作業員の人数による金額が掲載されています。Webサイトに掲載されている金額は、以下の範囲内であることが多いでしょう。一つの目安として考えてください。
- 1DK:3万円~10万円
- 2LDK:12万円~25万円
- 3LDK:17万円~30万円
もっとも、実際の金額は現地調査後の見積書によります。このため上記金額を大きく上回る可能性もあることには留意しておきましょう。
できるだけ作業範囲や作業内容を明確にし、不明な点は必ず確認を
ひとくちに遺品整理といっても、その中にはさまざまな作業項目が含まれます。打ち合わせの段階で作業範囲を明確にしていないと、以下のようなトラブルの原因となります。
- 業者の作業範囲と思っていた作業が中途半端に行われてしまい、後で遺族自ら作業をしなければならない
- 勝手に遺品整理業者が作業を追加してしまい、料金が高額になる
- 大切な遺品をごみ扱いされ、勝手に処分される
このため、作業前に必ず見積書を取るようにしましょう。見積書の中には、作業項目ごとの料金も記載してもらうことが大切です。とりわけ内訳に「遺品整理一式」といった書き方をする業者の利用は避けることが賢明です。
また打ち合わせの段階で、作業内容や作業日数などを詳しく説明してもらうことも大切です。不明な点は納得いくまで確認をしましょう。
遺品の買取サービスを利用すれば、費用を下げられる
遺品整理業者の中には、遺品の換金ルートを持っている場合があります。このような業者では、遺品の買取サービスを提供しています。中には鑑定士を常勤させて、骨董品の鑑定も行う業者もあります。
買取可能な遺品は、電化製品や家具、バイク、ブランド品など多種多様です。買取額は遺品整理料金から差し引くことができますから、遺品整理の費用を下げることにつながります。
なお故人に負債がある場合は、買取サービスを利用しない方が良い場合もあります。この件については、記事の後半部分で説明します。
遺品整理を利用する際のポイント
もし故人の遺品を誤って処分してしまうと、取り返しがつきません。このため遺品整理は後悔のないようにしたいものです。
納得のいく遺品整理をしてもらうためには、いくつかのポイントがあります。順に説明していきましょう。
借金をしたまま亡くなった場合、遺品の換金は保留しよう
故人に借金がある場合、遺族がその重荷を負わないためには、故人の死を知ってから3ヶ月以内に相続放棄の手続きが必要です。
この手続きを行う場合、故人の財産を処分してはいけません。その場合、処分した方については相続放棄が認められなくなってしまいます。
このため、故人に借金があるか、またはその可能性がある場合は注意が必要です。借金などの負債額を確定させるために遺品整理を行うことは必要ですが、換金可能なものがあったとしても買取サービスを利用しないようにすることが大切です。
後日負債額を確定した後、負債額より財産の方が多いことがわかってから遺品を換金しましょう。もし負債額の方が多ければ、遺品はそのままで相続放棄をすることになります。
急ぎの場合でも、複数の業者から見積もりを取って比較する
賃貸物件に住んでいる場合、故人の死後は大家さん等から早期の明け渡しを求められることになるでしょう。
また孤独死の場合は強い悪臭が発生していますから、一刻も早く臭いを除去したいものです。
このような急ぎの場合でも、複数の業者に現場を見てもらった上で見積もりを取ることが大切です。その上で作業項目や料金が妥当かどうか、内容を確認してから依頼しましょう。
できる限り遺品整理当日は立ち会うことがベスト
遺品整理業者の中には、当日の立ち会いを不要としている業者もあります。生前、故人と遺族が離れて暮らしていた場合は、遺族の負担が軽くなるメリットもあります。
しかし遺品整理当日は、できるだけ遺族が立ち会うようにするとよいでしょう。
次々と出てくる遺品に対して残すのか、捨てるのかを判断できるのは遺族です。遺族が立ち会うことでその場で判断ができ、迅速かつスムーズな遺品整理が行えます。もちろん、後日のトラブルも少なくなります。
まとめ~業者への見積依頼が遺品整理への第一歩~
遺品整理業者では故人宅の状況に応じて、さまざまなサービスを提供しています。Webで業者を2~3社ピックアップして、見積りを依頼することが遺品整理の第一歩となります。
また遺品はせっかく故人が遺した物ですから、丁寧に扱って欲しいものです。ささいなことでもきちんと説明できる業者を選ぶことが、よい遺品整理につながります。不明な点は、いろいろたずねてみることをおすすめします。
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