本記事では、残土の処分方法と費用を詳しく解説します。
残土は建設作業などの際に出る土で一般のゴミとしては捨てられず、正しい方法で処分しなければなりません。
この記事を読めば、残土の処分方法や費用が分かり、自分に合った方法でスムーズに捨てられます。
この記事で分かること
残土とはどんなものを指すか
残土の正しい処分方法
残土の処分にかかる費用相場
残土の概要
残土は正式名称でいうと「建設発生土」で、建築や土木工事の際に発生した土を指します。
以下で、詳しい概要を見ていきましょう。
建設発生土とは
建設発生土とは、トンネル掘削や道路建設など、建設現場で発生する土砂を指します。
これらは、掘削によって生じる余分な土で、その多くは建設材料として再利用されるか適切な方法で処分されます。
また、建設発生土は原則として「産業廃棄物」には該当しません。
これは土砂そのものが自然物で、製造過程で人工的に加工されたものではないためです。
しかし、不純物が混入している場合などの特定の条件下では、産業廃棄物とみなされるケースもあります。
残土の種類
残土は、その状態やコーン指数によっていくつかの種類に分類され、それぞれに適した処分方法が求められます。
以下の表に、残土の種類ごとのコーン指数や特徴をまとめました。
残土の種類 | コーン指数 | 特徴 |
---|---|---|
第1種建設発生土 | 定めなし | 砂や礫が主体の土で締め固めが可能である 安定した地盤を形成できる 盛土材料などとして再利用しやすい |
第2種建設発生土 | 800kN/m²以上 | 砂質土や礫質土が多く含まれる 盛土材料や埋め戻し材として利用される |
第3種建設発生土 | 400kN/m²以上 | シルトや粘土の割合が多い 含水率が高くなる傾向がある 固化処理が必要になる場合がある |
第4種建設発生土 | 200kN/m²以上 | 高い含水率を持つ粘性土や泥土に近い そのままでは利用が難しい 固化処理や脱水処理が必須となる |
泥土 | 200kN/m²未満 | 極めて含水率が高い 流動性を持つ土で取り扱いが困難となる 特殊な固化材や設備が必要である |
コーン指数とは、土の硬さや強度を示す指標の1つです。
コーンを土中に貫入させる際に必要な抵抗力から算出され、数値が高いほど土は固く、低いほど軟らかいと判断されます。
建設発生土の状態を把握し、適切な処分方法や再利用の可否を判断する上で重要な数値です。
汚泥との違い
建設発生土と混同されやすいものに、「汚泥」があります。
汚泥は、下水処理場から排出される泥や工場排水に含まれる浮遊物質などが沈殿・凝縮したものです。
通常は水分を多く含み、腐敗性や有害物質を含む場合があります。
建設発生土が自然由来の土砂であるのに対し、汚泥は人工的な活動によって発生するため、産業廃棄物として厳しく規制される点が大きな違いです。
汚泥は厳格な処理基準が設けられており、特別な許可を持つ業者でなければ処分できません。
残土の処分方法と料金
建設発生土の処分方法はいくつかあり、その種類や量などによって方法と費用が異なります。
処分方法 | 手段 | 費用目安 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
ストックヤードに持ち込む | 自力で運搬 | 数千円程度/1立方メートル | ★★ |
リサイクルプラントで再利用する | 自力で運搬 | 数千円から数万円/1立方メートル | ★★ |
残土処分場を利用する | 自力で運搬 | 数千円から数万円/1立方メートル | ★ |
不用品回収業者に依頼する | 業者が回収 | 数千円から数万円/1立方メートル | ★★★ |
ここでは、主な処分方法と料金について解説します。
残土の捨て場「ストックヤード」に持ち込む
ストックヤードは建設発生土を一時的に保管する施設で、再利用を目的としています。
ストックヤードに持ち込まれた残土は土質改良や分類を経て、埋め戻し材や盛土材などの建設資材として再利用されます。
料金は、残土の種類・量・施設によって大きく異なりますが、一般的には1立方メートルあたり数千円程度が目安となります。
ただし、ストックヤードは受け入れ基準が厳しく、不純物が混入している残土は受け入れてもらえないことが多いです。
事前に受け入れ基準を確認し、残土の分別を徹底しましょう。
「リサイクルプラント」で再利用する
リサイクルプラントは、建設発生土を高度に処理して新たな建設資材として再利用する施設です。
ここでは、残土の選別・破砕・分級・改良などの工程を経て、再生砕石や改良土などが製造されます。
リサイクルプラントでの処分費用は、処理する残土の種類や量などによって変動しますが、ストックヤードよりも高くなる傾向です。
1立方メートルあたり、数千円から数万円程度が目安となります。
「残土処分場」を利用する
残土処分場は、建設発生土を埋め立てる最終処分場で、再利用が難しい残土や少量で他の処分方法に適さない場合に利用されます。
残土処分場での処分費用は、トラック1台あたり数千円から数万円が目安です。
残土処分場は最終的な処分場所で、土質に関係なく残土を受け入れていますが、土質によっては費用が変動することもあります。
また、埋め立て容量に限りがあるため、事前の予約が必要となる場合も多いので確認しましょう。
不用品回収業者に依頼する
最もおすすめなのは、不用品回収業者への依頼です。
不用品回収業者は種類に関係なく残土を回収してくれるほか、指定場所まで来てくれるので運搬の必要がありません。
依頼をするだけで、指定した日時にトラックで来てくれます。
費用は軽トラックの利用で15,000円〜20,000円程度、1.5tトラックで30,000円~40,000円程度です。
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残土を処分する際の注意点
残土の処分には、以下のような多くの注意点があります。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
ストックヤードは受け入れ先が限られる
家の解体などで発生した廃材を一時保管する「ストックヤード」は、建設業界で広く使われている便利なシステムです。
しかし、ストックヤードは全ての廃材を受け入れてくれるわけではありません。
受け入れ先が主に建設会社や産業廃棄物処理業者に限定されており、種類や品目によっては受け入れができないケースがあります。
そのため、ストックヤードを利用する際は、事前に保管したい廃材が受け入れ可能かどうかを確認しておくことが重要です。
また、ストックヤードに保管する際は、廃材を種類ごとに分別しておく必要があります。
不純物があると産業廃棄物扱いになる
建設現場から排出される「建設発生土」は、通常、リサイクル可能な資源として扱われるため産業廃棄物には分類されません。
しかし、金属片やがれきくずなどの不純物が混ざっている場合、産業廃棄物として扱われてしまう可能性があります。
このような事態を避けるためには、建設発生土を排出する時点で、不純物を適切に分別しておくことが非常に重要です。
分別せずに不純物が混ざったままの残土を処理しようとすると、産業廃棄物としての手続きや費用が発生するので注意しましょう。
建設発生土の処分を円滑に行うためには、不純物の混入を防ぎ、適切に分別管理することが求められます。
種類ごとに処分方法が異なる
残土は「建設発生土」と呼ばれ、その性状や強度によって第1種から第4種、そして泥土の5種類に分類されます。
この分類は残土の処分方法に大きく影響し、残土の種類によってはリサイクルプラントや処分場への持ち込みが不可能な場合があります。
そのため、処分する際は事前に残土の種類を確認し、適切な処分施設を選ぶことが重要です。
種類は目視でも判別できますが、最終的な判断は持ち込み時に行われるので注意してください。
運搬許可が必要なケースもある
残土そのものは廃棄物ではなく資源として扱われるため、運搬に特別な許可は必要ありません。
しかし、残土の中に金属片やがれきなどの「産業廃棄物」が混ざっている場合は、運搬に「産業廃棄物・収集運搬許可」が必要となることがあります。
また、自社の残土を自社で運搬する場合は許可は不要です。
一方、下請け業者が元請け業者の残土を運搬する場合は、元請け業者からの委託と見なされるため、原則として運搬許可が求められます。
業者へ処分を依頼する場合は、許可の有無にも注目しましょう。
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不用品回収業者に依頼するメリット
建設発生土の処分は、専門的な知識や運搬手段が必要となるため、不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
ここでは、不用品回収業者に依頼するメリットについて解説します。
不純物があっても回収できる
不用品回収業者の中には、建設発生土の回収に対応している業者も存在します。
特に、残土に木くずやコンクリート片などの不純物が混ざってしまい、産業廃棄物扱いとなる場合でも適切な許可を持つ業者であれば回収が可能です。
ただし、産業廃棄物である残土を回収するには、「産業廃棄物収集運搬」の資格が必須となります。
この資格を持たない業者に依頼すると、不法投棄などのトラブルに巻き込まれるリスクがあるため、必ず資格を持つ信頼できる業者へ依頼しましょう。
庭木や他の不用品もまとめて処分できる
庭木の伐採によって発生した枝葉やその他不要になった資材など、さまざまな不用品をまとめて処分できるのもメリットです。
これにより、残土と他の不用品をそれぞれ異なる業者に依頼する手間や時間を省くことができます。
分別や運搬もすべて業者に任せられるため、個人での作業負担を大幅に軽減でき、非常に効率的です。
リサイクルも意識できる
現代社会において、廃棄物の適切な処理とリサイクルは重要な課題となっており、残土も可能な限り再利用することが推奨されています。
不用品回収業者は、回収した残土や不用品を処分するだけでなく、積極的にリサイクル・リユースを徹底しているところが多いです。
環境に配慮し、リサイクルを意識した不用品回収業者を選ぶことは、社会貢献にもなります。
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残土の処分に関係する法律
残土の処分には複数の法律が関係しており、主要なものとして、建設発生土(残土)をリサイクル可能な「指定副産物」と定める「資源有効利用促進法」があります。
資源有効利用促進法は、正式名称を「資源の有効な利用の促進に関する法律」と言い、廃棄物の抑制やリサイクルの推進を通じて、循環型社会の形成を目指す日本の法律です。
この法律では、製品の製造者や消費者が資源の有効活用に協力することを求めています。
3R(リユース・リデュース・リサイクル)の取り組みをベースに、残土も可能な限り再利用して環境に配慮しましょう。
残土の処分は「不用品回収受付センター」をチェック!
今回は、残土の処分方法を紹介しました。
残土は種類ごとに処分方法や料金が異なるほか、不純物がある場合は産業廃棄物となってしまいます。
種類などを気にせず楽に処分したいなら、「不用品回収受付センター」に掲載されている業者への依頼がおすすめです。
産業廃棄物収集運搬許可を取得している業者も多く、不純物がある場合でも全て任せられます。
また、不用品回収業者は残土以外の不用品、庭木や枝なども一緒に回収してくれるのがメリットです。
最短即日で対応し、回収した不用品のリサイクル・リユースを徹底している業者も多いので、ぜひチェックしてみてください。