この記事では、車のバッテリーの処分方法について解説します。
車のバッテリー交換を自分で行なった際は、使用済みのバッテリーをどこかで処分してもらう必要があります。
カー用品店やホームセンターなどでの回収実施状況やバッテリー処分費の目安は、今後もカーライフを楽しむ上で役立つこと間違いなしなので、ぜひ参考にしてください。
記事後半では、廃バッテリーの回収需要が高まっている理由にも迫ります。
車のバッテリーは自治体では回収できない
車のバッテリーは適正処理困難物に指定されているため、自治体では回収できません。
適正処理困難物とは、家庭・事業活動で排出される一般廃棄物の中で、市町村では処理できない廃棄物のことです。
車のバッテリーの他に、タイヤやホイール、マフラーなども適正処理困難物に分類されます。
発火・火災の危険性がある
車のバッテリーは、以下のような理由から発火や火災に至る危険性があります。
- 劣化
- 液量不足
- 過充電・過放電
- ターミナル部分の緩み
この中でも、発火・火災の原因として特に多いのがターミナル部分の緩みです。
ターミナルとは、車の各所に電気を供給するために配線とバッテリー端子を繋ぐ金属部分の箇所のことを指します。
エンジンルームに積んでいると、車両の揺れに伴い徐々にターミナル部分が緩んでくるので、接触不良によるショートなどが起こり発火することがあります。
実際に、2024年7月8日に振動でターミナルが緩んだことで接触不良を起こし、車両火災に繋がった事案が起きています。
このように、扱いを間違えると発火や火災の危険性があるため、自治体では回収を行なっていません。
電解液の希硫酸が原因で怪我をする危険性がある
車のバッテリーの中には、希硫酸という電解液の一種が入っています。
希硫酸は電力を生み出す際に必要不可欠なものですが人体にはとても有害で、万が一皮膚に付着すれば重度のやけどを起こしたり、目に入れば失明することもあります。
専門の知識を持っていなければ取り扱いは非常に危険なので、自宅で廃バッテリーを保管している方も十分に注意しましょう。
車のバッテリーの処分方法5選
ここで、車のバッテリーの処分方法を5つご紹介します。
カー用品店に持ち込む
カー用品店では、車のバッテリーの回収・処分を行なっています。
以下にカー用品店ごとの対応をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
カー用品店名 | 対応 |
オートバックス | バッテリー1個まで回収可能 |
イエローハット | 回収可能 |
ジェームス | 回収可能 |
基本的に引き取りを行なっているところがほとんどですが、個数などによっては料金がかかることも想定しておきましょう。
この一覧の中であれば、オートバックスがバッテリー1個までは回収可能としているので、2つ以上は料金がかかる可能性があります。
自宅に古いバッテリーを複数個保管したままの場合は、事前にカー用品店にバッテリーの回収は何個まで可能か確認しておくと安心です。
また、カー用品店まで自分で古いバッテリーを運ぶことになるので、強い衝撃を与えないよう取り扱いには十分注意してください。
バッテリー交換時に古いものを引き取ってもらう
車のバッテリー交換を依頼した際に、古いものをそのまま引き取ってもらうのが一番手軽です。
カー用品店やガソリンスタンドなど、バッテリー交換をしてもらえる店舗であれば同時に回収してもらえることがほとんどなので、処分のことで頭を悩ませる必要はありません。
ただし、バッテリー本体の料金(約4,000円~)や交換工賃(約2,000円~)などもかかるので、他の方法と比べて高くつきやすいのがデメリットとして挙げられます。
ガソリンスタンドで処分してもらう
ガソリンスタンドでも車のバッテリーの処分を依頼できますが、全てのガソリンスタンドが引き受けているわけではないことに注意しましょう。
セルフサービスのガソリンスタンドなどがその可能性が高いので、フルサービスのガソリンスタンドに絞ることをおすすめします。
また、回収してもらえたとしてもリサイクル料金として数百円~1,000円ほど請求されることがあるので、調べずに行くとトラブルになりかねません。
給油の際にスタッフに尋ねたり事前に電話確認をしておくと、徒労に終わることはまずないでしょう。
バッテリーを扱っているホームセンターに持ち込む
車のバッテリーを扱っているホームセンターでは、販売だけでなく回収も行っていることが多いです。
以下に回収を実施しているホームセンターとそれぞれの対応をまとめました。
ホームセンター名 | 対応 |
コメリ | 商品1点購入につき同等品を1点引き取り可能 |
コーナン | 商品1点購入につき同等品を1点引き取り可能 |
DCM | バッテリー購入で回収可能 |
カインズ | 沖縄店限定で回収可能 |
いずれのホームセンターでも基本的に引き取ってもらえますが、日常的に車のバッテリーを取り扱っていない店舗では、バッテリーの回収を実施していない可能性があります。
お近くの店舗ではバッテリーは回収対象なのか、事前に問い合わせておきましょう。
不用品回収業者を利用する
一度に複数個バッテリーを処分したい場合は、手間や安全面なども考慮して、不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
自宅など指定した場所まで回収に来てもらえるため、ガソリンスタンドやホームセンターなどに持ち込む必要がなく、時間の節約にも繋がります。
さらに、バッテリーだけでなくその他のカー用品まで回収してもらえるのも嬉しいポイントです。
早ければ即日回収可能なので、急ぎで処分したい場合にも心強い味方になってくれるでしょう。
不用品回収受付センターがおすすめな理由についてはこちら!
車のバッテリーを処分するときの費用目安
バッテリー処分費の目安を方法ごとに以下にまとめました。
処分方法 | 処分費用目安 |
カー用品店に持ち込む | ~200円 |
バッテリー交換時に引き取ってもらう | ~200円 |
ガソリンスタンドで処分してもらう | ~1,000円 |
ホームセンターに持ち込む | 同等品の料金 |
不用品回収業者を利用する | 約500円~1,000円 |
不用品回収業者を利用する場合は、トラック積載プランを利用すると、溜め込んだバッテリーもお得に処分できるのでおすすめです。
トラック積載プランとは、トラックに載る量であればどれだけ積み込んでも料金が変わらないプランのことです。
一覧を見ても分かるように、バッテリーを処分する際に多少の料金がかかることもあるので、複数個処分するとなると負担が大きくなります。
その点、不用品回収業者のトラック積載プランであれば、トラックに載せれば載せる程1つ当たりの単価が安くなっていくのでとてもお得だと言えます。
不用品回収業者の料金相場についてはこちら!
廃バッテリーも回収してもらえる理由
実は近年、廃バッテリーの回収需要が高まっています。ここでは、その理由を2つ解説します。
資源原材料が多く含まれている
本来、廃バッテリーは産業廃棄物としては廃プラスチック類や金属くずに分類される品目ですが、鉛・鉄・プラスチックなどのリサイクル可能な資源から構成されているという特徴があります。
SDGsが叫ばれる昨今、リサイクル資源の需要は年々高まっており、それに伴い廃バッテリーにも注目が集まるようになりました。
回収後にはリサイクル工場で分解・分別し、再び車のバッテリーなどの原材料に使われるので、地球環境にもとても優しいです。
しかし、上手く回収・処分すればこのように再活用できますが、適切に処分されなかった場合資源が無駄になるだけでなく、火災の原因になったり有害な物質やガスを発生させる恐れもあります。
循環型社会を実現するにはこれらの取り組みは非常に大切なので、廃バッテリーが自宅にたくさんある方は積極的に回収を依頼しましょう。
有価物として扱われている
先の項目で、廃バッテリーには資源原材料が多く含まれていることを解説しましたが、実はそれ故に有価物として扱われていることも理由として挙げられます。
現在、日本国内では鉛鉱石が採掘できる鉱山は全て閉山されているため、アメリカやオーストラリアなどの国からの輸入に依存している状況です。
国内で鉛を採掘することは難しいので、廃バッテリーのような資源原材料が豊富なものを適切にリサイクルし、少しでも多くの鉛を確保することがますます重要になっています。
現時点で日本の鉛蓄電池のリサイクル率がほぼ100%を達成していることも、その裏付けと言えるでしょう。
日本国内で供給されている鉛にはこのような事情があるため、鉛が含まれる廃バッテリーは有価物として扱われています。
買取価格は市場状況や業者によって異なりますが、1kgあたり50円~150円ほどで取引されているようです。
車のバッテリーを処分する際に確認すべきポイント
最後に、車のバッテリーを処分するときに必ず確認すべきポイントを2つ解説します。
消耗品のため交換目安時期を把握しておく
車のバッテリーは、2年~3年を目安に交換するのがベストです。
適切な時期にバッテリー交換をしないと車全体に電気が供給されないので、エンジンが動かず走行ができる状態ではなくなります。
例えば、以下のような症状が見られたら交換時期のサインと考えて良いでしょう。
- エンジンがかからない
- ブレーキ部分が固くなる
- 暖房がつかなくなる
- ヘッドライトが暗い など
冬の寒い時期や高速道路を運転しているときにこれらの症状が出れば、安全が脅かされかねません。
バッテリーを交換してからそんなに月日が経っていなかったとしても、こういった症状が確認出来たら速やかにバッテリーを変えてください。
発火・火災の可能性があるので取扱いに注意する
充電や走行の直後は、バッテリー内の電解液に含まれる精製水が酸素ガスと水素ガスに分解され、充満しています。
水素は可燃性ガスで引火性が非常に高いため、喫煙や静電気などがきっかけで爆発を起こすことがあります。
そのため、車のすぐ近くで煙草を吸うことは絶対に避ける他、金属以外の場所に触れて静電気を逃がすなどを意識的に行なうのがおすすめです。
また、バッテリー液が不足していると発生する水素ガスの量も増えるので、定期的なバッテリーの交換は必ず行ってください。
特に、海外では電気EV車のバッテリー起因の火災も相次いでおり、日本では2025年2月25日に鳥取県倉吉市にて、急速充電中の電気自動車の火災が起きました。原因は調査中ですが、国内初の事例です。
定期的な点検を怠らないようにしてください。
車のバッテリーの処分なら「不用品回収受付センター」へご相談ください
サステナビリティの観点からも、車のバッテリーの処分は適切に行なう必要があります。
とはいえ、バッテリーの回収を行なっている場所まで自分で運ぶのは手間がかかるだけでなく、さまざまな危険が付いて回るので、不用品回収業者の利用もぜひ検討してください。
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複数業者の同時見積もりも可能なので、忙しいときでも業者を比較しやすいのが魅力です。
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